丹後地酒まつり2016に参加!〈前編: 仕込み水と酒〉
京都府北部、丹後地方の9つの酒蔵が開催する「丹後地酒まつり」に参加してきました。9つの蔵の地酒、地元の料理、そしてスイーツとのマリアージュを楽しみました!
京都府北部、丹後地方の9つの酒蔵が開催する「丹後地酒まつり」に参加してきました。9つの蔵の地酒、地元の料理、そしてスイーツとのマリアージュを楽しみました!
京都市内からバスに乗って揺られていくこと2時間弱。京都縦貫自動車道が開通してから丹後への交通は本当に便利になりました。
会場はホテル北野屋、眼下に天橋立を望む好立地です。今回はお酒に集中するため、散策は見送りました。
こちらはフードチケット1000円分。この写真、とてもいい空気感が出ていていますね。チケットを切り取るときに一人ずつきれいに、と一瞬思いましたが、よく見たら首の付根にミシン目がある事案を発見しました。
何はともあれ、イベント開始!すごい人です。
日本酒を美味しく飲むコツは、つねに水を飲みながらお酒を飲むこと。このように飲む水のことを和らぎ水と言います。イベントでは7蔵の**仕込み水**が用意されていました。
仕込み水テイスティング
**仕込み水が7種類!**一瞬頭がくらっとしてシャキーン!一緒に来た飲み仲間たちの「お腹タップタップになるよ」との忠告もきかず、メモ帳を手に取りました。
竹野酒造(京丹後市弥栄町)の仕込み水
最初にテイスティングしたのは、「弥栄鶴」、「蔵舞」シリーズの竹野酒造の仕込み水。今回味わった中でいちばん硬いと感じました。相対値で「5」としておきます。カルシウム感が強く、やや塩っぽいテイストがしました。
熊野酒造(京丹後市久美浜町)の仕込み水
「久美の浦」の熊野酒造の仕込み水は竹野酒造のより少しやわらかめ。相対値で「4」。石を舐めたようなミネラル感とやや塩感がありました。
ハクレイ酒造(宮津市字由良)の仕込み水
次はハクレイ酒造の仕込み水。こちらは相対値で「3」。ややカルシウム感と塩っぽさを感じました。
谷口酒造(与謝郡与謝野町)の仕込み水
「丹後王国」の谷口酒造の仕込み水も相対値で「3」。石っぽさと塩っぽさを感じました。
白杉酒造(京丹後市大宮町)の仕込み水
「白木久」の白杉酒造の仕込み水は、今回一番やわらかい部類で相対値は「2」。ややカルシウム感と塩っぽさが感じられました。
池田酒造(舞鶴市字中山)の仕込み水
池田酒造の仕込み水は一番やわらかく感じました。ややカルシウム感があります。
向井酒造(与謝郡伊根町)の仕込み水
「京の春」「伊根満開」の向井酒造の仕込み水はもやわらかめ。相対値は「3」。やや石っぽさを感じました。
日本酒と料理
仕込み水だけでかなり満足してしまった日本酒コンシェルジュ。とはいえ本題を楽しみたい!
パンフレットを見ると、試飲できるお酒は50あまり。「全部試すのは絶対ムリだなー。飲みたいもの厳選しよう」と思ったものの、やっぱり選びきれず‥
「とにかくベストを尽くそう」と心に誓いました。
純米無濾過生原酒 shirakiku(白杉酒造)
ローストビーフに合うと推奨されていたのが、白杉酒造の「shirakiku」。コシヒカリを使って醸したお酒です。白杉酒造ではこの他、ササニシキなども使っており、なんと全量飯米の酒蔵。酒米を一切使っていない酒蔵です。
甘味と酸味がしっかり、後味に米の香りが感じられる米感のあるお酒です。ローストビーフに負けない強さ、とても良く合いました。このように料理とお酒のペアリングをオススメしてくれるのはとても楽しめる企画です。
旭蔵舞(竹野酒造)
旭蔵舞は、海老の南蛮漬と合いますよ、とのおすすめ。さっそく合わせてみました。
旭蔵舞は竹野酒造の「蔵舞」シリーズの一つ。いろいろな米を使ったラインナップのうち、「旭」を使った日本酒です。
口当たりは軽やか、旨味はしっかり、やや控えめの酸味。酒と料理の甘味のハーモニーと、脂分を流す感じがよいと思いました。普通のフライなら、酸味の強く柑橘の香りを感じる酒が合いますが、あえて酸味が控えめの酒を持ってくることで、南蛮漬け=マリネの酸味とぶつからないという意図を感じました。
亀の尾蔵舞 斗瓶取り 2014 & 2015 飲み比べ(竹野酒造)
続いて、同じく「蔵舞」シリーズの「亀の尾蔵舞 斗瓶取り」を醸造年違いで飲み比べ。夏子の酒での復活米のモデルにもなった亀の尾という米を使っています。
2015年は、上立ち香に、はっとするほど強いりんごの香り。シンプルな甘味と酸味、程よい苦味。ワイン好きな方が気にいるタイプのお酒です。2014年は、上立ち香は少なめで、落ち着いた熟成感を楽しみました。
丹後王国 純米吟醸 祝(谷口酒造)
谷口酒造の「丹後王国 純米吟醸」は、酒蔵のある与謝野町産の「祝」を使った純米吟醸酒。「祝」は京都府オリジナルの酒米です。
ミルク飴や白玉粉のような米由来の香り。
アタックは強めで、とろりとした口当たり。甘味は強めです。酸味はしっかり口の中で上がってきて、そのまま爽やかな余韻を演出します。程よい苦味で切れがよく上がります。
玉川 特別純米酒(木下酒造)
そして木下酒造の玉川、特別純米酒。55度位の燗酒でいただきました。エアーのような軽さに、さっと切れる切れ味。これぞ燗酒、と感動さえ覚える味わいでした。