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酒米トップ8(山田錦 五百万石 美山錦 雄町 秋田酒こまち 出羽燦々 八反錦1号 ひとごこち)を知る

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

酒米トップ8の特徴

農林水産省が実施している米穀の農産物検査の平成27年(2015年)の結果から、酒米(この調査では「醸造用玄米」)の検査数量(≒生産量)の上位の特徴をまとめました。

品種別の量はとても偏っています。上位3位で7割、そのあとは全体の2%台が3銘柄、残りを100銘柄で占める、という割合です。

これについては前の記事に詳しく記述してありますのでご覧ください。

👉 「酒米を銘柄別で見ると山田錦、五百万石、美山錦で7割近くに

こちらは、2015(平成27)年度の上位20位の酒米です。

この中からトップ8の酒米をご紹介します。1位から3位は変動していませんが、ここ2、3年で5位から8位が変動しています。

【追記 2017-10-11】順位が若干変動しています

2016(平成28)年の醸造用玄米検査数量(3月31日時点の速報値)では、4位が「秋田酒こまち」、5位が「雄町」、6位が「八反錦1号」、7位が「出羽燦々」、8位が「ひとごごち」となっています。

雄町が4位から転落し、秋田酒こまちに取って代わられたのが注目ポイントです。6位に「八反錦1号」(2015年8位)が浮上してきましたが、6位、7位、8位はいずれも僅差でほぼ横並びです。9位からはちょっと下がります。

山田錦

兵庫県を始め26府県で栽培されていますが、兵庫県産が圧倒的に多く、6割以上を占めています。

山田錦と短稈渡船(滋賀渡船2号と同じとされている)を交配してつくられた酒米です。1936年に山田錦と命名されました

粒が大きく、心白が大きいので高精米に向くとされています。現在全国新酒鑑評会で受賞する酒のほとんどが山田錦を使ったものとなっています。栽培量の多さ、酒造りへの適性ともにダントツで、「酒米の王様」と言われています。

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五百万石

20府県で栽培、新潟県が全体の約半分を占めています。

粒が小さいが心白が大きいので高精米に向来ません。すっきりとした味わいの酒になりやすいとされています。

新潟県の奨励品種になった1957年に県の米の生産高た500万石を超えたことから命名されました。雄町を祖先に持ちます。

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美山錦

長野県、秋田県をはじめとする8県で栽培されています。
淡麗な酒が出来やすいとされています。

長野県農事試験場で1978年に開発されました。たかね錦にガンマ線を照射してた結果、突然変異してうまれた品種です。

祖先に亀の尾、万石があります。

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雄町

6府県で栽培されているが、ほとんどが岡山県の栽培です。

江戸時代末から栽培されている古い酒米です。飯米としての利用でしたが、大粒で心白が大きいことから酒造特性を見出され、酒造りに使われるようになりました。

栽培の難しさからほとんど栽培されなくなりましたが、復活した酒米です。濃醇な味の酒になりやすいとされています。根強いファンが多く、彼らは「オマチスト」と自称することが多いです。。

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秋田酒こまち

1992年に開発された新しい品種。秋田県オリジナルの酒米です。現在秋田県でのみ栽培されています。生産量はどんどん増加しています。

吟醸酒に向くとされています。

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出羽燦々

山形県で開発された酒米。美山錦と華吹雪を交配して造れれました。山形県でのみ栽培されています。検査数量は1,931トン(2016年度)となっています。

淡麗な酒が出来やすいとされています。

山形県では県産の酒米、酵母、麹菌をつかった酒造りが進められており、地域性をテーマにした取り組みが成果を上げています。

👉 関連記事 → 出羽燦々〈酒米の系譜〉

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八反錦1号

八反錦1号は八反草をルーツとする酒米で、現在広島県でのみ栽培されています2016(平成28)年度の検査数量は1,933トンでした。1980年代に八反35号とアキツホを交配して広島県の農業試験場で育成されました。

心白が大きく鮮明なため、中程度の精白度向きの品種とされています。

同じ時期に交配された八反錦2号は新潟県で栽培されていますが、検査数量は12トン(2016年度)と少ないです。また、祖先の八反は広島県でのみ栽培されており、検査数量は477トン(2016年度)となっています。

👉 八反錦を使った日本酒のテイスティングノートなど

ひとごこち

ひとごこちは長野県農事試験場で1987年から育成された品種です。玉栄とコシヒカリの血統を持っています。心白が出やすく大粒なため、より酒造り、特に高級酒造りに適した酒米です。淡麗で味に幅がある酒を造りやすいとされています。

主に長野県で栽培されています。検査数量は1,798トンと上位でそのうち1,490トンは長野県で栽培されています(2016年度)。その他、栃木県、山梨県でも栽培されています。

👉 ひとごこちを使った日本酒のテイスティングノートなど

👉 ひとごこち〈酒米の系譜〉

参考資料


おすすめ日本酒の本

日本酒や酒米の勉強をするのに役に立った本をご紹介します。

日本酒の科学

ブルーバックスの『日本酒の科学』和田 美代子 (著), 高橋 俊成 (監修)

酒米はもちろん、日本酒の造り、微生物の働き、熟成など多岐にわたった内容です。科学的な根拠が示されているのでおすすめです。

新しい日本酒の味わい方

田崎真也さんの『No.1ソムリエが語る、新しい日本酒の味わい方

たくさんの日本酒銘柄が原料米別に紹介されています。酒米の種類によってどのような日本酒が出来上がるかを知りたい方におすすめです。

酒米ハンドブック

こちらは最近改訂版が出た『酒米ハンドブック 改訂版』副島 顕子(著)。ハンドブックなので手軽に持ち歩けるサイズ。試飲会で新しい酒米に出会った時にさっと取り出せるのがいいですね。

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