多賀の酒はスキッとキリリ「本醸造辛口 大老」「純米吟醸 多賀」日本酒テイスティングノート
〈日本酒レビュー〉滋賀県でも珍しい硬水で仕込んだ多賀の酒はスッキリ、キリリでコクがある。
多賀の酒はスキッとキリリ
雨の浜大津。今月の日本酒ブースは「多賀」と「富鶴」の豪華2蔵元! まずは多賀のお酒から紹介するよ。
地元出身の井伊大老から名付けた「本醸造辛口 大老」はキリリと入って味が膨らむ、飲み進められて、引っ掛かりがないお酒。毎日飲みたい! 熱めの燗酒にすると顔が変わって、米のニュアンスをよりたくさん感じる。
「純米吟醸」は、スキッと入って甘味たっぷり、蜜のよう。余韻に甘味と酸味が心地よく佇む。こちらも熱めにすると、やわらかく穀物を感じる。すっと切れる酒だ。浜大津朝市の皆さんがつける燗は最高! 酒のよさを引き出していただける。
蔵元さんによると、仕込み水に使っているのは鈴鹿山系の芹川の地下水で、硬水(150g/ml)だという。軟水が主な滋賀県内で硬水を使っているのは多賀と長浜の佐藤酒造くらいしかないとのこと。この水のプロファイルが、すっきりとした多賀の酒をつくり出しているのだ。
テイスティングノート
「本醸造 辛口 大老」室温20℃弱、おちょこで
きりりと入って、味が膨らむ酒。やさしい。少し柑橘とアプリコットの香り。料理が欲しくなる。
滋賀県の米「みずかがみ」を使い、大きなサーマルタンクで醸造しているという。
「本醸造 辛口 大老」58°C、おちょこで
燗酒ではガラリと顔が変わる。軽やかになるし、とくに後口で米をより多く感じるようになる。酸味・甘味・切れがキーワード。高めの温度帯がおすすめ。
「純米吟醸 多賀」室温20°C弱、おちょこで
スキッと入る。透明感のある蜜のような甘味にウリの香り。余韻に酸味とともに甘味が佇む。
「純米吟醸 多賀」55°C、おちょこで
穀物を感じるやわらかな印象の奥に、米粉やきなこを思わせる甘味とアプリコットのしっとりした甘い香り。なめらかさを楽しんだあとに少し苦味がやってきて、玄米や籾殻の香りが収穫を思わせる。すっと切れて、コクが残るのがよい。
(テイスティング日: 2021年5月16日)
ラベル情報
本醸造 辛口 大老
- 〈醸造元〉 多賀(滋賀県犬上郡多賀町)
- 〈仕込み水〉 -
- 〈原料米〉 彦根産みずかがみ
- 〈精米歩合〉 70%
- 〈杜氏〉 -
- 〈特定名称/種別〉 本醸造酒
- 〈アルコール度数〉 15-16度
- 〈原材料〉 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
- 〈製造年月〉 03-05
純米吟醸 多賀
- 〈醸造元〉 多賀(滋賀県犬上郡多賀町)
- 〈仕込み水〉 -
- 〈原料米〉 -
- 〈精米歩合〉 50%
- 〈杜氏〉 -
- 〈特定名称/種別〉 純米吟醸酒
- 〈アルコール度数〉 16-17度
- 〈原材料〉 米(国産)、米こうじ(国産米)
- 〈製造年月〉 03-05