フルボディで透明なフルーツの印象「神開 湖南山田錦七割磨 生原酒」日本酒テイスティングノート
〈日本酒レビュー〉フルボディで透明なフルーツの印象があるお酒。
商店街で催される日本酒イベント「おさけ日和」。次は「神開」藤本酒造のブース。
藤本酒造のウェブサイトによると、1763年頃地元の山村神社のご神託を奉じて井戸を掘った。すると酒造に適した、鉄分が極端に少なくミネラルの多い水が湧き出たという。酒銘「神開」は、このことを「神が開いた」として名付けられた。地下6メートルの井戸というより湧き水に近いこの水はその後もずっと使われており、神開の味の基礎をかたちづくっている。
フルボディの酒で透明なフルーツの印象がある。とくにリンゴの蜜のニュアンスがよかった。隣のブースのチャーシュー(脂ぷるんぷるんの僕好み!)とよく合った。お酒ブースと食べ物ブースはペアリングを考えて配置されているのではないかと思ってしまう。
付け加えると、ラベルに酒米農家さんの名前があるのに好感が持てた。
テイスティングノート
アタックが強くてコクのある、フルボディの酒。透明感のある味わいはフルーツの印象。リンゴの蜜、熟した蜜の甘味と重たい酸味が広がる。透明でなめらかでで力強い。カシューナッツと和三盆の香りもする。余韻はやや長く、蜜とカシューナッツの香りが佇む。
ペアリング
チャーシューとよく合った。味の強さが同等で、酒がフルーツを使ったソースのような役割を果たす。鮒ずしともよく合った。酒が魚の臭みを消して包み込んだ。
(テイスティング日: 2018年5月27日)
ラベル情報
神開 湖南山田錦七割磨 生原酒
- 〈醸造元〉 藤本酒造(滋賀県甲賀市)
- 〈仕込み水〉 -
- 〈原料米〉 滋賀・湖南市産山田錦100%、酒米生産者: 高畑 学
- 〈精米歩合〉 70%
- 〈杜氏〉 -
- 〈特定名称/種別〉 -
- 〈アルコール度数〉 17度
- 〈原材料〉 米(国内産)、米麹(国産米使用)
- 〈製造年月〉 2018-05
- 〈その他情報〉 酒母: 山廃、使用酵母: 協会7号