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やわらかくて芯のある長期熟成酒「神開 山廃純米古酒 枯艶珠(こえんしゅ)」日本酒テイスティングノート

日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇 日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇

やわらかくて芯のある長期熟成酒

山廃吟醸の原酒を17年間常温で蔵内熟成したもの。醸造当初は硬すぎたため商品化できず、熟成を経てようやく世に出ることになったという[1]

室温(とはいっても真冬の)ではちょっと重い印象があるけれども、20℃位になると酸味が際立っておいしい。40度前後の燗酒がおすすめ。とくに燗冷ましで上品な蜜を思わせ、味わいに深まりを感じる。オレンジがかった黄金色が美しく、はちみつやしいたけ、ウエハース、そして余韻に焙じたお茶の香り。特徴的な苦味はきりりとしていて存在感がある。スパイシーな刺激もあって、骨格を形作っている。

テイスティングノート

室温(15°Cくらい)、グラスで

オレンジかかった黄金色。上立ち香ははちみつ・しいたけ・ザラメと熟成香。やや甘い香りはみりんやりんごの蜜を思わせる。貫禄のある味わい。やわらかな口当たりで、甘味と酸味がしっかりとしている。ほうじ茶の香りが強くて芯がある。余韻にもまたほうじ茶や枯れ葉がある。味わいはドライなほう。

◯ 20°C、グラスで

少しだけ温めてみる。酸味が際立つ。ながいこと砂糖と漬け込んだ柑橘やりんごのイメージ。

45°C、グラスで

少し軽やかになる。酸味と胡椒のようなスパイシーな刺激。蜜の香り、少しセクシーな印象。余韻は米・ウエハース、苦味とほうじ茶の香り。苦味はきりりとしていて、心地よい。

55°C、グラスで

サラリと入って、ほうじ茶と蜂蜜の香りが広がる。アルコール感もある。

◯ 燗冷ましで38°C、グラスで

味わいに深みがある。その広がりと枯れ葉の香りとのバランスがよい。

ペアリング

アーモンド・ピーカンナッツ・くるみのミックスナッツとよく合った。とくにくるみの渋味が酒の味を補ってよい仕事をする。味わいが複雑なので、お酒単体でも楽しめる。

(テイスティング日: 2021年1月24日)

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ラベル情報

神開 山廃純米古酒 枯艶珠(こえんしゅ)

  • 〈醸造元〉 藤本酒造(滋賀県甲賀市)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 兵庫県産山田錦100%
  • 〈精米歩合〉 60%
  • 〈杜氏〉 -
  • 〈特定名称/種別〉 吟醸酒
  • 〈アルコール度数〉 18度
  • 〈原材料〉 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
  • 〈酒造年度〉 H14
  • 〈製造年月〉 2020-10
  • 〈その他情報〉 平成14酒造年度の大古酒です

  1. にしむら酒店 一酒一会の会だより. 2020年11月 ↩︎