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本醸造 日本橋|日本酒テイスティングノート

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

これは、地域別の日本酒をテイスティングする、LSC(ローカル・サケ・キャノンボール)でテイスティングしたお酒です。

近江商人が設立した蔵

埼玉県行田市に蔵を構える横田酒造は1805年に創業しました。埼玉県の酒蔵の多くはは滋賀県出身の近江商人が設立していますが、横田酒造も日野商人が始めた事業です。「日本橋」の銘は創業者の横田庄右衛門が修行していた日本橋の酒問屋に由来します。

私が日本橋を最初に飲んだのが国際線の機上だった(このときは純米大吟醸)のですが、今回ワークショップでじっくり向き合うことができました。空の上ではできなかった燗酒を楽しめました。

やさしくて、それでいて緊張感のある、元気はつらつなお酒

米の香りやミルキーな乳酸菌飲料のような香りと、シャープな口当たりが楽しめるお酒です。香りはみかんやウリ。よく切れて余韻はオレンジとメロンジュースの香りが一緒にいてくれます。

40度に温めると、メリハリが強まり、それでいてまったりとして印象。柑橘の存在感が出てきます。55度位も良い温度帯で、ミルキーな顔が出てきて、まろやかになります。

辛味大根おろしがたっぷりはいった山菜そばや、白身魚のムニエル、酢豚と合わせたいです。

それから

冷蔵庫で8ヶ月寝かせたら、とても良くなっていました! シャープな印象から、やわらかとろやか、濃醇さをストレートに感じる酒になっていました。まさに「熟」! さらに、苦味が酒の芯となり、バランスの取れた味わいを楽しみました。

テイスティングコメント

10度、清酒グラスで。メロンの甘い香り。スイカズラ。少し甘くて青っぽい。

16度、清酒グラスで。上立ち香は、練乳・カッテージチーズ・クリームチーズ・やや乳酸菌飲料の香り。口に含むとシャープな印象。酸味が爽やかで控えめな甘味はきれい。焼きみかん・ウリ・甘くないメロンの印象。野菜の甘味。余韻は短く、オレンジと少しメロンジュースの香り。アルコールの刺激も心地よい。

40度。メリハリが効いている。よい。まったりとして、後半にメロンの香りと甘味。そして柑橘が静かに爆発する。香りとピールの苦味。きりりと切れて、みかんの皮のような余韻が心地よい。

47度では、少し味がバラける。バランスが崩れ、中途半端に。

50度に上げると、ミルキー感が出てきて、コクとうま味、みかん果汁の余韻。

55度。再びよい温度帯。ミルキー。クリームチーズ。まろやか。セミドライアプリコット。

16度くらいの冷たすぎない温度帯。燗をつけるときは40度か55-60くらいがおすすめ。

8ヶ月間、冷蔵庫で熟成させると、まろやかでとろやかに。アルコールの刺激が感じられなくなり、柑橘のニュアンス、金柑の香りが際立つ。苦味が芯となり、バランスのよい味わいになった。

ペアリング

冷やして飲むときは、酒の青い香りを生かして、辛味大根おろしをたっぷり使った山菜そば。燗酒とは、白身魚のムニエル。それから、酢豚、牛肉のステーキ、てりやきなどしっかりした味の料理を合わせたい。

(テイスティング日: 2019年5月30日)

ラベル情報

本醸造 日本橋

  • 〈醸造元〉 横田酒造(埼玉県行田市)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 朝の光
  • 〈精米歩合〉 70%
  • 〈特定名称/種別〉 本醸造
  • 〈アルコール度数〉 15度
  • 〈原材料〉 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール
  • 〈製造年月〉 2019-05

参考資料

  • 一般社団法人 埼玉県物産観光協会. Saitama TheSake 48 “大人諸君、埼玉の酒をこのまま知らないでいいのか。" 2019年5月9日.
  • 青木 隆浩. 近世・近代における埼玉県清酒業の形成過程. 経済地理学年報. 1997. 43巻2号