小豆島の酒蔵・森國酒造訪問記 2014
森國酒造は平成になってできた小豆島唯一の酒蔵。フェリーで小豆島に渡り、訪問。島を感じる酒蔵でした。
小豆島唯一の酒蔵、「森國酒造」を知ったのは、「町家でお酒を楽しむ会 No.23 さぬきのお酒」を企画するためのリサーチを通してのことでした。森國酒造は平成になってできた小豆島唯一の酒蔵。ウェブサイトや日本酒のラベルのセンスに惹かれました。
いざ島へ
無事にイベントを開催したあとの夏休み、船に乗って小豆島にわたり、森國酒造を訪ねました。
築70年の佃煮工場をリノベーションして作られた、「森國酒造 カフェ&バー」。中に入るとなんだか安心する落ち着いた雰囲気。
森國酒造の醸す日本酒をはじめ、ジャムなども販売されています。この左手にバーカウンターがあり、日本酒を楽しめます。
森國酒造カフェごはん
この日は、ランチに粕汁をいただきました。もちろん森國酒造の酒粕を使った料理です。どこか懐かしい、安心する味わいでした。ごちそうさまでした!
社長の池田亜紀さんのお話
このあと、社長の池田亜紀さん森國酒造と商品についてお話をお伺いしました。
島シリーズ
「町家でお酒を楽しむ会 No.23 さぬきのお酒」で紹介した「うとうと。」は「島シリーズ」の一つ。若い人に日本酒を飲んでほしいという思いから始まったそうです。瀬戸内海の島々をイメージした商品です。
写真はシリーズの一つ「びびび。」です。
「島シリーズ」は池田さんが社長に就任する前のプロジェクトですが、池田さんはこれをベースに日本酒業界の常識にとらわれない商品作りを進めます。
常識にとらわれない日本酒のパッケージ
升に入った一合瓶のシリーズ。女性が好みそうなミニボトル。と升の組み合わせです。「かわいい」だけでなく一合という容量が要。「一升瓶はもちろん四合瓶でも量が多すぎる」という女性の感覚を活かしたアイデアです。
パッケージのかわいさに反して、「中身は昔ながらの杜氏が造った本物の酒です」と池田さん。
升と一合瓶の組み合わせについて、当初は「酒の売り方を知らない」と叱られたこともあったそうです。それでも売れ行きはよかったのこと。
いろいろな挑戦をされている池田社長。その中で言われた「キャンペーンを打つと一時的に売上は上がる。けれどもその後ピタリと止んでしまう。継続的に売ることは難しい」という言葉が印象に残りました。
森國酒造の酒造り
酒造りのオフシーズンでしたが、池田社長に蔵の中を案内していただきました。
驚いたのが仕込み水。小豆島の最高峰の湧き水をトラックで汲みに行っているそうです。そこまでする価値のある良質な水が湧いています。
そして酒造りは手造り。おやっさん(杜氏さん)のこだわりです。
杜氏さん以下3名のチームで酒造りをしています。チームには若い移住者の方も参加されているとのこと。「人が一番大事」と語る池田社長の横顔が記憶に残りました。
「吟醸生貯蔵酒 森」とジャムをおみやげにフェリーで島を離れます。静かな水面の瀬戸内の船旅は格別です。
「森」に再会
1年後、高松市内の寿司屋「こいし」で「森」を発見! お造りに合わせていただきました。地元の食材を楽しみながら地元の酒を飲むのはいいですね!
(2014年8月4日)