日本酒を片手に対話する「日本酒うんちく手帖 No.43 日本酒のラベル」イベントレポート
43回目! 参加者の皆さんに好きなラベル・瓶を持ち寄っていただき、語り合いました。
おかげさまで43回目の開催となりました、日本酒を片手に対話するオンライン・イベント「日本酒うんちく手帖」。テーマは「日本酒のラベル」。参加者の皆さんに好きなラベル・瓶を持ち寄っていただいて、それに対する思い、なぜ好きかなどを語り合いました。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
まず、うんちくコーナーでは、日本酒ラベルの変遷をお話ししました。
- ラベルの役割「ブランドの認知」「味やスペックを伝える」「個性を伝える」「コレクションの対象」。
- 酒の銘柄がはじめて現れたときのこと。
- 今でも残る江戸時代のロゴのこと。
- 江戸時代に量り売りで酒販店から消費者へと酒を運んだ「通い徳利」に書かれていた情報。
- 輸出用の伊万里焼の瓶に貼られていたラベル。
- ガラス瓶の登場と普及。一升瓶より先に一合瓶や四合瓶が使われていたんですね。
それからミニうんちくとして、酒造業界で今も使われている「レッテル」という言葉は、昭和まで一般でもラベルの意味だったという話もしました。
日本酒ラベリオ・バトル!
そして、参加者の皆さんにラベルを持ち寄って話していただく対話コーナーは盛り上がりました! 皆さんの酒に対する愛が感じられて心がほっこりしました。
- 招徳酒造の「越畑」。棚田がデザインされたラベル。京都の酒米「祝」の田植えと稲刈りに参加して入手した限定ラベルだそう。米を育てると飲む時にも感慨深いですね。
- 多満自慢の昭和52年・55年。通い徳利をもした陶器のボトル。このほかウイスキーのようなボトルも。昭和の頃はこういった物が多かったそうです。
- 韓国で売られている酔鯨にはクジラのイラストと “drunken whale” との表示、このラベルにして売上がとても伸びたとか。イラストで覚えてもらうほか、韓国でも大酒飲みのことを「酒鯨」というのでそれもヒット。
- フランスで売れている黒松剣菱の180ml瓶が一押し。イラスト(ロゴ)だけなので覚えてもらえやすい。アルファベットも書いていないラベルが多いなか、伝わるとのこと。
- ファイリングされたラベルコレクションを見せてくださった方も。神亀の漢字一文字シリーズ。障害を持つ方に書いてもらったラベル。栄光冨士の、和紙に刷ってあるクラシックなラベル。達筆すぎる秋鹿。森喜酒造のどすこい誉、尾瀬あきらさんの4コマ漫画付き。四季桜の和紙ラベル。
- 仙禽の虹色カブトムシラベル。贈り物にしたらとても喜んでもらえたという話。
- 地酒との出会いになった思い出の酒、福光屋の黒帯。
- 不老泉の総の舞に押された杜氏さんの名前「横坂」の落款に込められたストーリー。
この後のフリートークでは、こんな話題で盛り上がりました。
- ゴールド賀茂鶴の国内向けと海外向けのラベル。それより熟成してブラウン賀茂鶴になっている!
- ラベルの基準・書かなくていはいけないことが頻繁に変わっていること。
- JFOODOが開発した輸出用ラベルのガイドライン。インポーターさんが追加するラベルも、その地域の食文化にあっていていい。ガイドラインは、「書かなくてはいけないこと」から「魅力を伝える」にシフトしている。これはいよいこと、国内でも採用したらよいのでは?
- ひげ文字、筆文字のラベルは古いイメージがあるけど、未だ「和」が残っている貴重な存在ではないか?
- 海外で、精米歩合とアルコール度数が混同されてしまう件。
- 白鶴の明治時代の輸出用ラベルがよい意匠。アルファベットで書いてあるのでブランド名を覚えてもらえるけど、酔鯨のように一歩進んだ、ブランド名を翻訳していて親しみやすくするのが次の一歩。
- 日本酒エバンジェリストのジョン・ゴーントナーさん、杜氏のフィリップ・ハーパーさんなど、JRTプログラムは(本来の目的とは違うところでも)日本文化に多大な貢献をした。
- ゴーントナーさんが提案する、ブランドのニックネーム。李白を“Wandering Poet”とか。
- 動物の名前がついた酒って、結構あるね。伊丹で動物名の日本酒ラベルと対応する剥製や化石(龍力には恐竜の化石!)展示があって感動した話。
- 日本酒のラベル・エチケットのコレクションについて。剥がしにくくなっている。それは冷やす時や氷水に入れるときの対応。そして皆さんから剥がし方のコツ、ラベルはがし液、ドライヤーで温める、などのアイデアをいだだきました!
- 海外輸送でラベルが破損しやすい件。
- 日本酒ラベル、製造年月日の表示を見直す動きがあること。
- 腰にやさしいスタンディングデスク。ステイホーム立ちのみができる?
「オンライン日本酒うんちく手帖」は隔週の水曜日20:00より開催しています。開催予定はTwitterやFacebookページで告知していますので、「参加したい!」と思った方はお問合せフォームか各種SNSのアカウントよりご連絡をいただければと思います。