料理長のおもてなし「篠峯 ろくまる 純米吟醸 うすにごり生原酒 飲み比べ」日本酒テイスティングノート

〈日本酒レビュー〉米の産地と品種違いのうすにごりを飲み比べる

料理長のおもてなし「篠峯 ろくまる 純米吟醸 うすにごり生原酒 飲み比べ」日本酒テイスティングノート

料理長のおもてなし

僕が無濾過生原酒(濾過や加熱殺菌、加水をしていない酒)に出会ったのはこのお店だった。以来、ずっとこのタイプの酒のフレッシュで丸くてパワフルな味わいに魅了されてきた。

いつものように「なにかおすすめのお酒をください」と注文する。料理長は2杯のうすにごりを出してくれた。そう、こういう飲み比べをしたかったんだよ!

両方ともフルーティーな香りとジューシーな味わいがあるけど、違う場所で育った違う品種の米で醸された酒だ。1つ目は広島の米、八反を使ったものだ。やわらかく、それでいて爽やかな甘味と酸味のバランスはライチを思わせる。その後よく切れてマンゴスチンのような余韻が残る。2つ目は富山県で栽培された雄山錦の酒。青さのあるメロンを思わせる甘くてフルーティーな香りと、ほのかに米とミルキーな香りがある。うま味のある味わいは力強くて心地よい苦味で切れる。急にいなくなってしまうように。

こうやって少しだけ味わいの違うお酒を飲み比べさせてくれるのは料理長のおもてなしだと思っている。彼は、僕がこんなふうに飲み比べること、違いを楽しんで共通のものを見つけ出すことが大好きだと知っているのだ。そして皆さんにおすすめしたいのは、こういう飲み比べのときは瓶の裏ラベルを見ないこと。情報は私たちが自然に味わことを邪魔してしまうことがある。

ペアリング

八反はさつま揚げやイカの天ぷら、雄山錦はプロシュートと合わせたい。

2022年2月、馳走いなせやにて。

ラベル情報

篠峯 ろくまる 八反 純米吟醸 うすにごり生原酒

醸造元: 千代酒造(奈良県御所市)
タイプ: 純米吟醸
原料米: 広島県産八反全量使用(精米歩合60%)

篠峯 ろくまる 雄山錦 純米吟醸 うすにごり生原酒

醸造元: 千代酒造(奈良県御所市)
タイプ: 純米吟醸
原料米: 富山県産雄山錦全量使用(精米歩合60%)


この記事は “Shinomine Rokumaru Junmai Ginjo Usunigori Nama Genshu | Saké Review” から翻訳されました。