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外出自粛中に気づいた、お弁当の魅力〈盃のあいだ nº28〉

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

コロナ禍で外出を自粛するようになって、自宅やオフィスから徒歩圏内にあるテイクアウト可能なお店でお弁当を求めることが多くなりました。中でも週に1回利用するほど気に入っているのが、アトリエ円卓のお弁当です。そして、この2ヶ月間でお弁当の奥深さを知ることになったのです。

アトリエ円卓を知ったきっかけは、台湾の清酒を楽しむ会を開催したことでした。代表の庄本彩美さんは台湾好きで何度も旅行しているとのことで、台湾グルメの話題で盛り上がったことを覚えています。イベントでは台湾の香米も炊飯してもらいました。

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お弁当の食材はこの2ヶ月の間に毎回少しずつ入れ替わり、季節の移り変わりを楽しめました。そして元気をもらいました。なんだか気分が上がるお弁当なのです。

5月に入り「ラタトゥイユ」がおかずの仲間に加わった時、受け取る際に「ラタトゥイユが美味しい季節になりましたね」と会話を交わしました。ちょっとしたコミュニケーションでも、気分が少し明るくなりました。

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お弁当の中には季節が詰まっています。そして、季節の食材を選ぶ料理人の心を感じ得るのです。言葉を使わないコミュニケーションこそ究極といいますが、まさに料理を介したコミュニケーションが自然とうまれてくるのです。

お弁当をいただく前には、必ず写真を撮ってInstagramに投稿しています。いつもは食卓で普通に食べますが、初夏の兆しが出てきたころ、ふと庭に出ていただいてみました。

写真を撮ろうと庭石の上にお弁当を置くと、お弁当がある風景と同時に、その中にも風景が広がっていました。以前視聴したテレビ番組「美の壺」に登場していた京都の仕出し店の川村岩松さんが「弁当の盛り付けは風景である」と語っていましたが、まさにそのことを実体験とともに理解したのです。

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外的要因から入った私のお弁当生活ですが、おかげで、いろいろなことに出会い、気づきました。そして、料理や食べ物は、直接的にも間接的にも、コミュニケーションを媒介するのだと、その大切さを再認識しました。前回書いた「酒場」のことと同様、コロナ禍でいろいろなことの「大切さ」を実感しています。

Instagramに投稿したアトリエ円卓のお弁当

参考資料