雪鶴 精撰|日本酒テイスティングノート
〈日本酒レビュー〉にいがた酒の陣で出会った酒「雪鶴」。軽やかに口に入るけれど後半はしっかりとコクのあるお酒で、とくに燗酒にしたときに輝きます。
にいがた酒の陣で出会った酒「雪鶴」。軽やかに口に入るけれど後半はしっかりとコクのあるお酒で、とくに燗酒にすると輝きます。
「にいがた酒の陣」で出会ったお酒
80以上もの蔵元が出店する「にいがた酒の陣」。すべてのブースを回ることはできません。それでも雪鶴に出会ったのは「電気ケトル燗」のインパクト。そして、飲んでハッとするおいしさ。
地元の味
新潟といえば「淡麗辛口」のイメージがありますが、縦に長い新潟県、地域ごとの味わいに違いがあります。その中で、糸魚川にある田原酒造の「雪鶴」はしっかりした味わいが特徴のお酒です。
雪鶴は昔からしっかりとした味が特徴のお酒です。糸魚川にはこのようなタイプの酒を造る蔵がいくつかありますが、その地域性だけではなく「蔵の方向性」がこの味を形作っているといいます。
「酒は蔵元や杜氏の好みが出る」と社長兼杜氏の田原与一さん。豊かな味を出すように、米の味わいを意識して酒を造っているとのことです。今回テイスティングしたのはは地元の人が普段使いする「雪鶴 精撰」。
燗酒にすると驚くほど輝く酒
イベント後、あらためて常温と燗酒でテイスティングをしたところ、やはり燗酒のおいしさに魅了されました。とくに60度に温めたときの完成度の高さは特筆すべきでしょう。思わず「うわー!」と叫んでしまいました。明らかに、燗で飲むことを前提に設計された酒です。
軽やかだけど骨格がある味わい。丸く甘い米の香りと乳酸系のミルキーな香り、すだちの爽やかな香り。余韻は長く、ずっと米を感じながら幸せな気分になりました。
スイスイ飲める、おかわりしたくなる酒です。もちろん料理との相性は抜群です。乳酸発酵させた、ぬか漬けなどの漬物とは、乳酸系の香りと酸味が同調してよく合います。刺身こんにゃくと合わせると、こんにゃくの香りが引き立ちました。料理を引き立てるタイプのお酒です。後半のうま味・コクを生かしてある程度濃厚な料理とも合うでしょう。
テイスティングコメント
常温、20度くらいで
外観は無色透明。やわらかく、軽やかでやさしいお酒。軽やかだが余韻が長い。ていねいな設計を感じる。クラシックな味わい。
まず酸味を感じ、シンプルな甘味、その後、苦味でよく切れる。すだち、米飴の香り、ほのかに乳酸系の香りとメロンの香り。後口に酸味がキリッと、そして強くないがアルコールの刺激。余韻は長く、ミルキーな香りと白い米、すだちの香り。
スイスイ飲める。おかわりしたくなるお酒。
45度に温めて
温めると、びっくりするほどよくなる。
骨格が現れてくる。すごく表情が変わった! 丸く、米の甘い香りが広がる。米飴・柑橘ピール・すだちの香り。余韻は長く、アルコールの刺激。飲みごたえがある。
収穫の季節、秋を感じる酒。
60度に温めて
さらに温めると、透明感が現れる。そしてやわらかい。すばらしい! 思わず微笑む。ミルキーな乳酸の香り、ミルク飴の香り。余韻は長く、ミルク飴の香り。
一番いい温度帯は60度、その次は45度。燗で飲むことを前提に設計され、造らえれた酒。
料理との相性
どんな料理にも会う可能性を秘めている。乳酸発酵した漬物に合わせたい。
(テイスティング日: 2019年3月14日)
ラベル情報
商品名 | 雪鶴 精撰 |
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醸造元 | 田原酒造(新潟県糸魚川市) |
特定名称・種別 | |
原材料 | 米(国産)、米こうじ(国産米)、醸造アルコール |
酒造年度 | -BY |
原料米 | - |
精米歩合 | -% |
酵母 | - |
仕込み水 | - |
アルコール度数 | 15-16度 |
日本酒度 | - |
酸度 | - |
アミノ酸度 | - |
製造年月 | 31-03 |
杜氏 | - |
その他情報 | - |