悦凱陣 純米酒 丸尾神力 仕込57号 むろか生|日本酒テイスティングノート

〈日本酒レビュー〉復活米の「神力」を使用。豊かで複雑な香り。燗で、しっかりした味付けの料理と合わせたい。

悦凱陣 純米酒 丸尾神力 仕込57号 むろか生|日本酒テイスティングノート

大好きな悦凱陣

悦凱陣は、大好きなお酒の一つ。濃醇な味わいとバランスのよさ、そして燗酒にしたときの輝きの虜になっています。

復活米、神力

神力を使った悦凱陣はあまり数が出ていないので、今回飲むのが2回目です。

神力は明治時代の代表的な品種。「愛国」「亀の尾」と並んで日本最大品種の一つで、酒造りにも向いているとされていました。しかし、病気に弱いことから次第に栽培されなくなりました[1]。その後、複数の県で栽培が復活[2]、いくつかの酒蔵で使われています。

米を感じる、うま味のあるお酒

米を感じるお酒です。豊かで複雑な香り。炊いた米やミルク飴の香りがバランスをとって存在、どっしりとした思い酸味が骨格を作ります。蜂蜜の香りもして、熟成を感じさせます。うま味があるお酒です。余韻も長く、ここでもまた米のニュアンスを感じるのです。

しっかりした味付けの料理との相性がよい

合わせた料理は、「中国料理はすのみ」のちまき。中に鶏肉とじゃがいもが入っています。

お酒の強さと、ちまきの味わいの濃さ、これらのバランスが取れていてよく合いました。鶏肉のうま味と芋のほのかな甘味がお酒と同調し、辛味、スパイシーさも酒が包み込みました。「はすのみ」は岡山市にあるモダンな中国料理店、いつか行ってみたい!

悦凱陣 ちまき

上方日本酒ワールド2018にて。


テイスティングコメント

燗酒。上立ち香は、ほのかに白玉粉の香り。口に含むとやわらかく、ややとろりとしたテクスチャ。少し甘味、蜜のようなニュアンス。うま味。重い酸味。そして苦味。炊いた米・干し草・柑橘ピール・ミルク飴・蜂蜜の香り。余韻はやや長く、炊いた米の香り。

ちまきに入っていた鶏肉のスパイシーさを包み込み、芋のおだやかな甘味、そして鶏肉の脂身のまろやかさと同調した。

(テイスティング日: 2018年4月28日)

ラベル情報

商品名悦凱陣 純米酒 丸尾神力 仕込57号 むろか生
醸造元丸尾本店(香川県仲多度郡琴平町)
特定名称・種別純米酒
原材料米、米麹
酒造年度28BY
原料米神力(国内産)100%
精米歩合65%
酵母熊本9号
仕込み水満濃水系の伏流水
アルコール度数18-19度
日本酒度+11
酸度1.8
アミノ酸度.9
製造年月30-04
杜氏-
その他情報仕込み相米1170kg

悦凱陣 純米酒 丸尾神力仕込57号 むろか生 裏ラベル


  1. 佐々木 定, 酒米「神力」の復活, 日本醸造協会誌, 2000, 95 巻, 4 号, p. 222-226 ↩︎

  2. 副島顕子. 酒米ハンドブック 改訂版. 2017. 文一総合出版:東京. ↩︎