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やさしくて、さわやか。パワーを感じる酒「純米吟醸生原酒 ヨキトギ」日本酒テイスティングノート

日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇 日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇

やさしくて、さわやかで、パワーを感じる酒

醸されてから3年弱、冷蔵庫で寝かせたものをいただいた。

やさしくて、パワーがある酒である。常日頃から、化学的組成による味わいを超えた力強さのようなものを酒から感じることがあるけれども、この酒もそうだ。以前、ある農家の方にこの話をしたら、「それは米の生命力ですね」と即答をいただいた。米と微生物の生命力、そして造り手の心を感じるのだろう。

冷やすと味の奥行きの中に緊張感があって、爽やかな柑橘果汁を思わせる。一番のおすすめは常温に近い温度、甘味と酸味がバランスよくまとまり、後口に熟したリンゴとほのかにポン菓子の香り。ほっぺが落ちる。

ゆっくりと温度を上げていくと、42度位でよい地点に達した。さらりとしているが、なめらか。甘味・うま味・酸味をバランスよく感じ、ピリピリとした刺激も心地よい。さらに温度を上る。60度くらいになったとき、またピークがやってきた。この温度だと米のニュアンスが主になると思いきや、桃のようなフルーティーな味わいと香りが後半にキュッと上がる。これには驚いた。

翌々年のヨキトギを夏に味わう

この酒が醸されてから2年後に蔵元さんが杜氏になられてヨキトギを醸した。その酒を2020年の夏に飲んだ。

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搾ってから3ヶ月くらい。冷蔵庫から出してすぐの温度(12度くらい)でいただいた。ライチやマスカットの香りがする、やわらかくて力強い酒だった。酸味と甘味が明確に存在して、渋味でよく切れる。後半、キュッとコクの上る感覚が心地よい。この特徴が受け継がれているのがよい。余韻には米を感じる。

2018年醸造のものに比べて、全体的に垢抜けてきれいになった印象だ。こんにゃくの酢の物によく合った。爽やかさが共演して夏らしい。ちょっと温度が上がったら、若いコンテチーズと合うだろう。

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テイスティングノート(2018年上槽分、3年弱冷蔵庫熟成)

13°C、清酒グラスで

しっかりと緊張感があって、味の奥行きを感じる。甘味のたっぷりある爽やかな柑橘果汁。力強いジューシー感。

◯ 16°C、清酒グラスで

甘い香り! まったりと、メロンと米。口に含むととろりとしていて、なめらかで、それでいて力強く味が広がり、くっきりとした太めの酸味がやってくる。余韻にポン菓子など甘い米の香り。口に含んでから喉越しまで、ダイナミックな動きがある酒。

◎ 19.5°C、清酒グラスで

暖房をつけた室温(20.5°C)に近い温度。甘味と酸味がバランスよくまとまり、後口に熟したリンゴの香りと、ほのかにポン菓子の香り。よい!

35°C、清酒グラスで

酸味が際立ち、アルコールを感じるようになる。もう少し温めてみよう。

◯ 42°C、清酒グラスで

サラッとしてまろやかだけど、なめらかで味に奥行きがある。甘味・うま味・酸味を感じる。ピリピリとした刺激もよい。

55°C、清酒グラスで

飲みやすくなるけど、酸味とピリピリとした刺激が際立つ。余韻に収斂味も。中途半端な感じがする。

◯ 60°C、清酒グラスで

この温度にすると米の香りが主体になると思いきや、まだ桃のようなフルーティーな香りが残っている。とくに、後半にキュッと上がる味わいのピークがよい。

ラベル情報 2018

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(テイスティング日: 2021年1月22日)

純米吟醸生原酒 ヨキトギ 2018

  • 〈醸造元〉 吉田酒造(滋賀県)(滋賀県高島市)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 吟吹雪100%
  • 〈精米歩合〉 55%
  • 〈杜氏〉 西尾幸弘
  • 〈特定名称/種別〉 純米吟醸酒
  • 〈アルコール度数〉 18度
  • 〈原材料〉 米、米麹
  • 〈製造年月〉 2018-08
  • 〈その他情報〉 酵母:協会1401号、2018年3月18日上槽

ラベル情報 2020

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(テイスティング日: 2020年8月2日)

純米吟醸生原酒 ヨキトギ 2020

  • 〈醸造元〉 吉田酒造(滋賀県)(滋賀県高島市)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 吟吹雪100%
  • 〈精米歩合〉 55%
  • 〈杜氏〉 -
  • 〈特定名称/種別〉 純米吟醸酒
  • 〈アルコール度数〉 17度
  • 〈原材料〉 米(国産)、米麹(国産米)
  • 〈製造年月〉 2020-05
  • 〈その他情報〉 酵母:協会14号、2020年5月22日上槽