オンライン日本酒イベント「日本酒うんちく手帖」No.20 甘酒はノンアルコール日本酒である イベントレポート
日本酒と同じ麹飲料の「甘酒」をテーマに開催した「日本酒うんちく手帖」。
日本酒コンシェルジュ通信のオンライン・イベント「日本酒うんちく手帖」、日本酒と同じ麹の飲み物「甘酒」をテーマに開催しました。
No.20 甘酒はノンアルコール日本酒である
(2020年9月16日開催)
こんな内容をお話ししました。
甘酒の生産量は近年急増しています。スーパーやコンビニで買える缶やペットボトルに入った甘酒飲料ですね。
一般に「甘酒」と呼ばれるものには米麹を使ったものと酒粕を溶いて作ったもの、そして両方を使ったものがあります。
飲料として販売されている甘酒は酒粕タイプがメジャーでしたが、近年では米麹タイプのものが主流になっています。
上記の方に米麹タイプの歴史は古いのです。
江戸時代の甘酒売りはよく知られるようになりましたね。俳句の世界では「甘酒は夏の季語」とされていますが、夏だけのものというわけでもなかったようです。
1970年代に瓶入り(のちに缶入り)飲料として酒粕タイプの甘酒が発売されます。それまでも地方によっては酒粕を溶いて砂糖を入れるものが飲まれていましたが、甘酒と呼ばれていなかったようです。この飲み物が「甘酒」と認識されるようになったのは缶飲料の普及の後だと考えられます。
似た飲み物として、万葉集の貧窮問答歌に登場する「糟湯酒」があります。酒粕をお湯に溶いて飲む庶民の酒です。しかし、これを現在の酒粕タイプの甘酒の起源とするのは難しいでしょう。糟湯酒は酒の代わりとして飲まれてい点で現在の酒粕甘酒と大きく違います。家庭で飲まれている酒粕甘酒は、酒蔵集積地など酒粕が手に入りやすい地域の郷土料理であり、アルコール飲料としての酒の代替ではないと考えます。
昭和の時代には、米麹甘酒は家庭で作るものでした。そして、地域によって米と麹の割合や作り方に違いが見られます。讃岐など米が手に入りにくい地域ではその土地の穀物を使って甘酒が作られていました。
酒を片手に対話する
今回から、フリートークはテーマに沿った質疑応答で議論を膨らませる形にしました。甘酒というとやはり麹の話になりますね。
- 種麹を自社でつくっているところの話など
- 白酒(しろざけ、甘酒に酒を加えてつくるもの)を飲んだ記憶
- それから酒粕の利用。産廃にするのはもったいない。酒粕石鹸、酒粕再発酵酒、粕取り焼酎のはなし(これは詳しくないので深掘りしたい)
参加者の方に教えてもらった、甘酒を酒で割る飲み方、やってみようと思いました!
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日本酒・酒文化を軸にして、酒を飲みながら(飲まなくてもOK!)対話を楽しむのがこのイベントです。ルールは相手の話を聞く、知識よりも体験や考えてることを話す、泥酔しない、ネガティブな発言・故意に人を傷つけることを言わない、だけがルールです。