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冷やして軽やかなフルーツ、温めてなめらかな米の香り「富翁 特別純米 五百万石」日本酒テイスティングノート

日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇 日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇

冷やして軽やかなフルーツ、温めてなめらかな米の香り

冷やしてフルーティーな日本酒も温めると米の顔が出てくる。一般的には、フルーツの香りがよい酒は、温めると米が見えてくるとはいえ、その酒のよさを表現できているとは言えないとされている。でもこの酒は、冷やして軽やかなフルーツを感じるときも、温めて米を感じるときも、両方ともおいしいのだ。

まず冷やす。10°Cくらいがベストな温度。リンゴやナシの軽やかでフルーティーな香りとシャープな味わいからくる緊張感がよい。余韻は軽やか。ワイングラスで飲むよりも、柳宗理の清酒グラスで飲んだほうがずっと、おいしかった。そのあと、いろいろな温度に温めてみたけど、一番よかったのは55°Cくらいのとき。米を感じる香りと、柑橘ピールのニュアンスを楽しめた。もちろん切れはよい。月並みだけど、白身魚のお造りや茹でたホタルイカに合わせたいと思った。

テイスティングノート

10°C、ISOテイスティンググラスで

ごく淡い山吹色。上立ち香はリンゴ・ナシ・ローズマリー。少しシャープで刺激がある。苦味もある。余韻は軽やか。

◎ 10°C、清酒グラスで

最初ISOテイスティンググラスを使っていたが、清酒グラスやお猪口のほうがおいしく感じる。清酒グラスで飲むと、軽やかで締まりがあると同時に、まろやかで膨らみがある。後口はややピリピリとして、心地よい。

◯15°C、清酒グラスで

少し温度が上がると、酸味が引き立つ。軽やかで、ちょっとジューシー。後口には酸味・苦味・渋味、そして柑橘のニュアンスが軽やかな金柑のようだ。

38°C、清酒グラスで

少し温めてみる。ジューシー。甘味が広がる。軽やかな金柑。そして辛さはまだある。

44°C、清酒グラスで

ジューシー。なめらかな口当たりで、米の甘味を感じる。

◎ 55°C、清酒グラスで

米を感じる甘味。切れがよくて余韻の柚子ピールのような酸味が心地よい。

60°C、清酒グラスで

米の香りを強く感じる。ふんわりと軽やかだけど、結構シャープに切れる。余韻にみかんのワタ。

ペアリング

茹でたホタルイカや白身魚のお造りに合わせたい。

(テイスティング日: 2020年4月26日)

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ラベル情報

富翁 特別純米 五百万石

  • 〈醸造元〉 北川本家(京都府京都市伏見区)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 五百万石
  • 〈精米歩合〉 58%
  • 〈杜氏〉 -
  • 〈特定名称/種別〉 特別純米酒
  • 〈アルコール度数〉 15度
  • 〈原材料〉 米、米こうじ
  • 〈製造年月〉 2019-10