町家ききみりんの会を開催しました!
調味料と認識されているみりんですが、飲んでおいしいみりんもたくさんあります。4種類のみりんをテイスティングしたききみりんの会のレポートです。
滋賀で開催されたエスサーフ主催きき酒会のなかで見つけたみりんブース。生まれてはじめて10種類近くのみりんを利き酒して、僕の__みりん観__が大きく変わりました。
「みりんとはこんなにもおいしいものなのか」「こんなにもバラエティに富んだ味わいなのか」と驚きました。感動しました。
そのみりんたちに突き動かされた私は、普段日本酒イベント町家でお酒を楽しむ会を開催している町家スタジオで「ききみりんの会」を企画したのです。
ラインナップは4種類のみりん
4種類のみりんを用意しました。左の3種類は京都市内で入手可能です。左から2番めの高級パッケージの「古々美醂」は酒屋さんで、残りの2つはスーパーでも手に入ります。一番右の「福みりん」は京都では取扱がなく、ネットで調達しました。
飲めるのは「本みりん」
いわゆる「みりん」とされているものにはいくつか種類があって、「飲む」という点で考えると、「本みりん」と呼ばれるものになります。
今回は3蔵・4種類のみりんを用意しました。
これらをちびちびと利いて行くわけですが、なにせ甘い。シロップのように濃厚。ということでなかなかみりんは減らず。
純米本味醂 福みりん(福光屋・石川)
加賀鳶で有名な石川県福光屋のみりん。残念ながら京都では販売していないそうですが、東京ではよく出ているそうです。
私は普段1本500円位の普通酒的な紹興酒を飲んでいるのですが、ある時高級な紹興酒を飲む機会がありました。今までの紹興酒に対するイメージが180度変わりました。繊細な口当たりと味わいに驚いた記憶があります。この福みりんは、その時の紹興酒のような繊細な味わいです。
有機三州味醂(角谷文治郎商店・愛知)
京都のスーパーなどで必ず見かけるブランド。京料理には欠かせないみりんです。
火入していないので、瓶詰め後も熟成可能とのこと。
スライドの「三州三河みりん」が定番ですが、イベントでは有機米を使ったバージョン「有機三州味醂」をご紹介しました。
福来純 三年熟成本みりん(白扇酒造・岐阜)
3年間熟成させたみりん。日本酒だったら古酒になりますね。
こちらも京都でよく見かけるブランドです。琥珀色が美しい
福来純 古々美醂(白扇酒造・岐阜)
10年熟成させたもの。もうシロップのようにとろり、黒蜜のように真っ黒。シェリー酒を思わせる味と香りです。
照り焼きに使ったらすごく照りそう。でも料理に使うのがもったいない、飲みたいみりんです。
みりんテイスティング
4種類のみりんをテイスティング。こんなテイスティングノートを作りました。
炭酸で割るとコーラになる
なかなか飲み進まずに、ついには「ビール飲みたい」との企画が全否定されるような声もちらほら上がってきましたが、ある参加者の方がやおらみりんを炭酸で割り、「これはコーラだ!」と叫び、みんな真似したのがハイライトでした。
とくに白扇酒造の古々美醂がいちばんコーラっぽかったです。
小分けして持ち帰り
会の終わりには4種類のみりんを小分けして持ち帰り。
煮物には有機三州味醂、照り焼きには古々美醂、いや古々美醂は飲む専用だろ。と言い合いながら、パッキングしていったのでありました。
みりんは飲むのが楽しい
今回紹介したみりんは料理に使うのが惜しいくらい、飲んでおいしいみりんでした。シェリー酒やポートワインのようなまろやかな甘味とコクにハマります。
「テーブルに置けないお酒は料理に使うな」ということわざがあります。いま料理に使うのが惜しいと書きましたが、飲んでおいしいみりんこそ料理に使いたいものです。
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