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クラシックでモダン、燗がおいしい酒「田村 生酛 純米吟醸」日本酒テイスティングノート

日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇 日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇

クラシックでモダン、燗がおいしい酒

常温ではモダンな印象だけど、昔ながらの日本酒にある酸味と香りがある。僕の好きなタイプだ。47度の燗酒ではやわらかいが、どこか緊張感がある。柑橘の皮のワタの香りと酸味、そして穀物を感じる余韻。57度まで温めると、ほっぺが落ちた。より米が感じられる。このタイプのどの日本酒もそうであるように、あんことの相性がよい。

「田村」は「にいだしぜんしゅ」で知られる仁井田本家が、自然酒30周年を記念して造った酒。蔵がある郡山市田村町の名をとっている。自社田で農薬や肥料を使わない栽培方法で育てられた自然栽培米を使い、ミネラル分を程よく含む田村の湧き水(準硬水)で、酵母無添加で醸されている。地元への思いと、「自然酒」の考えがつまった酒だ。

テイスティングノート

常温 ぐい呑で

常温。モダンだけど昔ながらの日本酒の酸味と香り。昔の日本酒をそのまま洗練したような、乳酸由来の香り。

47°C、ぐい呑で

47度くらい。緊張感のあるやわらかさは文旦の皮の白いワタのニュアンスで寄り添っていて、やさしい。酸味が立って、その奥にウエハースようなの穀物の印象がある。

57°C、ぐい呑で

57度くらい。よい! 軽やかなミルキーさ。この温度でもまた、酸味が際立つので、やさしいヨーグルトのように感じられる。そして、収穫をイメージさせるポン菓子のニュアンス。47度のときより、より米を感じる。

燗冷ましで46°C、ぐい呑で

46度くらいまで燗冷ましにしてみた。やわらかにふわりと米を感じさせながら口の中(心の中)を通っていく、そして酸味がキリリと締めてくる。あんこと合う。

(テイスティング日: 2021年1月1日)

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ラベル情報

田村 生酛 純米吟醸

  • 〈醸造元〉 仁井田本家(福島県郡山市)
  • 〈仕込み水〉 天然水(自社田近くの竹ノ内の井戸水・ミネラルの多い準硬水)
  • 〈原料米〉 自然栽培米(農薬・肥料全般を一切使わず栽培した酒造好適米)
  • 〈精米歩合〉 60%
  • 〈杜氏〉 田村義也
  • 〈特定名称/種別〉 純米吟醸酒
  • 〈アルコール度数〉 15度
  • 〈原材料〉 米(国産)、米糀(国産米)
  • 〈酒造年度〉 19BY
  • 〈製造年月〉 2020-10
  • 〈その他情報〉 酵母無添加(蔵つき酵母)

参考資料