木桶を使ったこだわりの酒造り きき酒のあと、いなせやの丸山さんに蔵の中を案内していただきました。 上原酒造さんのこだわりの酒造りについては丸山さんからよく聞かされていましたが、蔵の中を見て改めて驚きました。いままで全国10ほどの酒蔵を見学しましたが、「えっ!?」と思うことが一番多かった酒蔵でした。 まず木の桶。「いまは桶を作れる職人さんがいなくて」という話は聞いたりしますが、こちらでは柿渋をたっぷり塗りこんだ仕込み桶やお米を蒸すときに使う巨大な桶も木で出来ています。 お米を蒸す木桶は、今は酒造りのシーズンではないため、このように収納されています。米を蒸すときは、甑(こしき)と呼ばれる巨大な蒸し器に、この巨大なせいろをのせます。家庭で米を蒸すのと同じ方法です。 木の桶は蒸米の出す水分を程よく吸い取ります。だから桶のエッジに水分がたまってベチャベチャにならないとのこと。お米の水分量をコントロールするというのは酒造りでとても大切なことなので、ここで差が出るとのことです。 精米機 これは「竪型精米機」と呼ばれる米を磨く機械。ゆっくりと24時間以上かけて酒米を精米します。一般には精米を外部に委託する、つまりすでに精米されたお米を購入することが多いです。精米というデリケートで手間のかかるな工程をプロに任せるという考えです。 上原酒造では、精米のあとの「枯らし」と呼ばれる水分量の調節などを含めて、全てコントロールするために自ら精米を行っているとのことです。 お酒を搾る「槽(ふね)」 次に案内していただいたのが、「槽(ふね)」のある部屋。槽とは、日本酒を搾る器具のことです。 日本酒は米を微生物の働きで発酵させて造ります。米が発酵してどろどろになった状態を「醪(