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和菓子と日本酒をあわせる|山吹極と薫風焼浮島・花巴 山廃✕水酛と白羊羹

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

京都の中心街・河原町松原にある、土曜と日曜だけ営業している日本酒バー「土と日」。こちらで日本酒と和菓子を楽しみました。数ヶ月に1度、気が向いたら立ち寄るのですが、幸運なことに必ず和菓子がある日に当たるのです。灯が温かいお店です。

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山吹極(やまぶき)と薫風焼浮島

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朝日川酒造の「山吹極(やまぶき)」は肩ラベルに「上級者向け食中酒」とあるように、酒飲みを重ねた飲み手をターゲットにしています。でも味覚は人それぞれ、日本酒イベントを主催して気がつくのは、実はこのようなどっしりとした味わいのお酒が好きな『初心者」が多いということです。

どっしりとした味わい、しっかりとした酸味。45度くらいの燗酒でいただきました。口に含むとやわらかい印象で、和梨のコンポートを思わせる香り・甘味・酸味のバランスです。後半にじわっと帰ってくる酸味で笑みがこぼれます。そのあとミルキーな香りが来て、長い余韻はすだちやオレンジなど柑橘のニュアンスと、ちょっぴりビターチョコの香りです。

薫風の焼浮島はしっとりとしたやさしい口当たり。染み込んだラムの香りは上品です。くるみ・いちじく・黒糖の味と香りがそれぞれ立ち上がっています。材料の個性をそれぞれきれいに際立たせる表現をしているのが特徴です。落ち着いた穀物のニュアンスとキャラメルの香りが終わりの安堵をもたらします。

酒と合わせると、酒の酸味がお菓子の落ち着いた香りを引き立てました。よい組み合わせです。

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(テイスティング日: 2020年2月2日)

花巴 山廃✕水酛と白羊羹

実は以前にもこのお店で和菓子と日本酒のペアリングを楽しんでいたのを思い出しました。お酒は花巴の nature x nature、酵母無添加の山廃を同じく酵母無添加の水酛で仕込んだ甘酸っぱいお酒です。

合わせたお菓子は白羊羹。とても「きちんと」つくられたお菓子です。口に含むと食感と味覚、嗅覚が順序よくきれいに並びます。マットな食感、カルダモンの軽やかな香り、そして咀嚼するにつれて湧き上がる柑橘ピールの香り、さらにはその奥にねっとりとした米のニュアンスが顔をのぞかせます。一つ一つの時間を味わうこととができました。

酒と合わせると、酒のとても強い甘酸っぱさがお菓子を包み込み、酒の酸味とういろうの柑橘のニュアンス、水酛のチーズっぽい香りが白羊羹の米製品としての顔と合います。こちらもよい組み合わせでした。

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(テイスティング日: 2019年7月26日)

ラベル情報

山吹極(やまぶき)上級者向け食中酒 生酛純米無濾過生原酒

  • 〈醸造元〉 朝日川酒造(山形県西村山郡河北町)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 山酒4号 100%
  • 〈精米歩合〉 58%
  • 〈酵母〉 山形KA
  • 〈特定名称/種別〉 純米酒
  • 〈アルコール度数〉 17度
  • 〈原材料〉 米(国産)、米麹(国産米)
  • 〈酒造年度〉 H30
  • 〈日本酒度〉 +5
  • 〈酸度〉 1.9
  • 〈アミノ酸度〉 2.1
  • 〈製造年月〉 R1-12

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花巴 ナチュール✕ナチュール 水酛

  • 〈醸造元〉 美吉野醸造(奈良県吉野郡吉野町)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 -
  • 〈精米歩合〉 70%
  • 〈特定名称/種別〉 -
  • 〈アルコール度数〉 17度
  • 〈原材料〉 米(国産)、米麹(国産米)、純米酒
  • 〈製造年月〉 2019-04
  • 〈その他情報〉 酵母無添加の山廃を酵母無添加の水酛で仕込んだ特別なお酒。