搾り(上槽)〈伏見帖〉
いよいよ日本酒造りの最終工程、「搾り(上槽)」です。もろみを濾して液体を取り出します。これが日本酒です。ここで残った個体の部分が酒粕になります。
仕込んでから2週間から5週間でもろみが十分に発酵して搾れる状態になります。もちろん計画は立てますが、実際にいつ搾るかはもろみの状態を確認して決めます。早すぎても遅すぎてもおいしい酒になりません。いつもろみを搾るかを決めるのは杜氏さんの役割です。
杜氏さんは、仕込んでから毎朝、もろみの状を確認します。今は分析器にかけて成分を調べますが、基本的に味や香り、見た目で判断します。分析にかけるよりも早くわかるからです。
育てあげたもろみを世に送り出す
搾りの日は、蔵の方々は朝5時から準備を始めます。朝の気温が低い時はもろみの発酵の状態が安定するので、搾っている間に発酵が進んでしまわないようにするためです。
この日は、始発列車で蔵に向かいました。駅を降りて蔵に近づくと、華やかな青りんごの香りがあたりを漂っていました。
普段はやさしい蔵人さん、杜氏さんも、この日はとても真剣な表情で、酒蔵の空気ははぴりりと張りつめます。搾りは酒造り