数字で見るみりん
みりんの製造と消費をざっくりと見ていきます。2015(平成27)年の統計をベースにしています。
あまり知られていないみりんの製造と消費を地図で見ていきます。2015(平成27)年の統計をベースにしています。
みりんの免許場数
36都道府県にみりんの免許場があります。一番多いのが愛知県の16場、次が兵庫県の12場、千葉、徳島がそれぞれ6場、広島が5場と続きます。
国税庁「第141回 国税庁統計年報 平成27年度版」より作成
みりんの製造数量
みりんの製造数量です。圧倒的に多いのが千葉県の43,228キロリットル。次が愛知県で8,142KL、そして兵庫県の7,412KL、次に埼玉県の2,860KL、それ以下は1,000KL以下となっています。千葉、愛知、兵庫に圧倒的に集中していますね。
後述しますが、おそらく京都府が2位に入ります。そして、茨城・栃木・新潟・長野のいずれかが5位に入っている可能性があります
みりんの製造所数は少ないため、県ごとの集計すると特定のメーカーの製造量が分ってしまいます。そのため、製造所数の少ない都道府県の数字は公表されていません。
この地図に表示されていない県のうち、例えば京都府には本みりんのシェアを5割ほど持っているメーカーの分が統計にでてきていません。このメーカーは兵庫県にも工場を持っていますが、兵庫県には免許場が多いので、数値にあわられています。シェア5割という数字から、京都府と兵庫県の両方でみりんを作っていると考えるのが妥当でしょう。
国税局別の合計製成数量は掲載されていますので、ここに転記します。それでも免許場数が秋田に1つしかない仙台国税局や熊本国税局の分は非公開となっています。
国税局別の合計と、その中の公開されている県の数値が著しく乖離しているのは、
- 関東信越国税局: 合計 8,727、公開されている県の合計 2,860 →不明
- 大阪国税局: 合計 33,133、公開されている県の合計 7,947 →差分はおそらく京都府
です。(単位はキロリットル)
国税局 | 管轄都道府県 | 製成数量(KL) |
---|---|---|
札幌 | 北海道 | 4 |
仙台 | 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 | X |
関東信越 | 茨城 栃木 群馬 埼玉 新潟 長野 | 8,727 |
東京 | 千葉 東京 神奈川 山梨 | 44,262 |
金沢 | 富山 石川 福井 | 21 |
名古屋 | 岐阜 静岡 愛知 三重 | 8,727 |
大阪 | 滋賀 京都 大阪 兵庫 奈良 和歌山 | 33,133 |
広島 | 鳥取 島根 岡山 広島 山口 | 944 |
高松 | 徳島 香川 愛媛 高知 | 143 |
福岡 | 福岡 佐賀 長崎 | X |
熊本 | 熊本 大分 宮崎 鹿児島 | 83 |
沖縄 | 沖縄 | - |
* X は非公開
国税庁「第141回 国税庁統計年報 平成27年度版」より作成
みりんの1人あたりの消費量 うどん県がトップ
みりんの1人あたりの消費量です。1位はなんと、みりんを造っていない香川県で1.9リットル。僅差で製造量も多い千葉県の1.89リットルが2位。3位は同じく製造量の多い愛知県で1.09リットル、意外に少ないです。4位は愛媛県の1.05リットル。5位は京都府で1.04リットルとなっています。
香川県が1位になっているのは、うどんのつゆには必ず本みりんを使うことと、家庭料理でもみりんを使う、こってりした味つけの料理が多いからだと考えられます。京都府が5位に入っているのは、和食の飲食店が多いことが理由だと考えられます。
2015(平成27)年の数値。国税庁「第141回 国税庁統計年報 平成27年度版」と総務庁統計局「人口推計」より作成