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帝松 純米酒|日本酒テイスティングノート

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

「関東の灘[1]」と呼ばれる埼玉県比企郡小川町に蔵を構える松岡醸造は、地下130mから汲み上げた秩父の山々が水源の伏流水を仕込み水として使っています。硬度127mg/Lという硬水で、微生物の発育が促進されるだけでなく「独特の旨味」を引き出すといわれています。

冷やして、温めて

お菓子のような印象があるお酒です。青いバナナやミルク飴、マナダミアナッツとカスミソウなど小さな花の香りが共存しています。酸味が心地よく広がり、ややシャープな印象にミネラル感が加わります。やわらかな苦味に、野菜スープを思わせるうま味が余韻に楽しめます。

燗酒では55度前後がおすすめです。やさしくて女性的、甘味とうま味が広がり、カカオのような苦味で締まります。

温かいときはだし巻き卵やふろふき大根と合わせたいですね。そして、冷やすときはお菓子のような印象を生かして、チーズケーキとの相性がよさそうです。

カヤにとてもよく合う

そういえば、昨日トーストに塗ったココナッツジャム、これと合わせたら行けるのではないかと思いたち、試しました。相性抜群でした。

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これは、カヤと呼ばれる、主にマレーシアやシンガポールで食べられるポピュラーな食材です。ココナッツベースのスプレッドで、ココナッツミルク・カモまたはニワトリの卵・砂糖などが原料。Pandanusの葉も入っていて、この香りがたまらなくよいです。

テイスティングコメント

冷たいときはお菓子のような印象

まずは15度くらい、ISOテイスティンググラスで。外観はシルバー。上立ち香は藁やかんなくず、その奥にミルキーな印象とクレソンの香り。ややシャープで酸味が心地よく広がる。やわらかな苦味。ちょっとお菓子っぽい印象。少しミネラル感がある。青バナナ・ミルク飴・マカダミアナッツ・切り干し大根・すみれ・かすみ草の香り。余韻は長く、ミルキーで再び青いバナナ、そして野菜スープを思わせるうま味。

55度位がおすすめ

41度に温める。やさしさと味わいの広がりを感じる。後半は米のニュアンスと苦味。55度に上げる。よくなった。やさしくて女性的。甘味とうま味が広がる。カカオのような苦味。60度では一転して男性的になる。芯がある。「ゴツゴツ」ではないが、パワーが感じられる。苦味が心地よい。

卵料理、チーズケーキなどと合わせたい

香りが複雑なので単独で楽しめる。厚揚げ、だし巻き卵、ふろふき大根、花椒がきいた麻婆豆腐に合わせたい。お菓子のようなニュアンスを活かして、チーズケーキやココナッツジャムとの相性もよい。ていねいに炊いたカスタードを使ったシュークリーム(軽めに焼いた)にも。

(テイスティング日: 2019年6月1日)

ラベル情報

帝松 純米酒

  • 〈醸造元〉 松岡醸造(埼玉県比企郡小川町)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 -
  • 〈精米歩合〉 70%
  • 〈特定名称/種別〉 純米酒
  • 〈アルコール度数〉 15度
  • 〈原材料〉 米(国産)、米麹(国産米)
  • 〈製造年月〉 2019-05

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参考資料

  • 一般社団法人 埼玉県物産観光協会. Saitama TheSake 48 “大人諸君、埼玉の酒をこのまま知らないでいいのか。" 2019年5月9日.