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菊鷹 Hummingbird 純米 無濾過生酒 30BY |日本酒テイスティングノート

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

ずっと気になっていた、発酵食品と日本酒が楽しめるお店「八光(はちみつ)」。冷蔵庫から好きなお酒を選び、自分で注ぐスタイルなので、色々な種類のお酒を楽しめます。

この方式は東京発祥と言われていますが、今は全国に広がっています。ただ、料理に重きを置いたお店は少なく、食べものを持ち込むスタイルが主流となっているようです。

このお店は、発酵食品を中心としたアテからお造り、〆の炭水化物まで、お酒の供が揃っています。普通の飲食店と選び放題スタイルのいいとこ取りで、料理と合わせて日本酒を楽しむ私のような飲み手にはうれしいスポットです。

この日は、3種類ほどの日本酒を堪能しました。その中から、「菊鷹 ハミングバード」を紹介します。

冷やすとリッチ、温めるとやさしい

フルボディ。上品で力強い酒です。10度くらいに冷やして飲むと、とろりとした口当たりに氷砂糖のような甘味。そして柑橘の酸味がしっかりと芯をつくり、米の香りとほのかなメロンの香り。余韻を長く楽しめます。

ぶりのお造りとよく合いました。酒の甘味と魚の脂のうま味のハーモニー。さらに、酒の酸味が芯を与えます。

「温めたいなあ」と思いたったら、先程の冷蔵庫の隣にある酒燗器へ向かいます。そこには錫のたんぽ(ちろり)が用意されているのです。

42度位に温めると、いい! 凄くいい!やわらかく、やさしい甘味。少しクリームチーズの香り。そして米を感じます。心地よくて、自分とお酒が一体化していきます。

ポテサラとよく合いました。塩辛とも相性がよく、酒に包み込みまれました。

テイスティングコメント

おちょこ大の小さなグラスでいただきました。

10度くらいで

上品で力強いお酒。とろりとした口当たり、ボディ感がある。すだち・オレンジなど柑橘を思わせる酸味と香りのあと、メロンの香り。甘味と酸味のバランスでキラキラとした印象。酸味がしっかりと軸をなし、口の中にキュッとした緊張感を与える。余韻はやや長く、米とメロンの香りと米の甘味。

ブリのお造りとよくあった。酒の酸味がブリをしゃんとさせ、ボディ感が同調する。

42度くらいで

「すごくいい!」と、思わず表情が緩む。やわらかくて、やさしくて、上品。クリームチーズのような少し乳っぽい香りが顔を覗かせる。お酒単独で米を感じる。米のもたらす多幸感を噛みしめる。お酒と自分が一体化するような感触がある。

乳っぽい香りと同調し、米のニュアンスとも相まって、ポテトサラダと相性がよかった。また、塩味とうま味が凝縮された食べ物、たとえば塩辛ともよく合う。お酒がそれを包み込むのだ。ブリのお造りと合わせると、口の中で脂が溶けて心地よい。

55度くらいで

ここまで上げると、温度を感じるようになる。オレンジやみかんのような香りと甘味、そして白玉粉の香り。米を感じる。十分楽しめるが、このお酒のよさを引き出す温度ではないと感じた。あたためるなら42度前後がベスト。

(テイスティング日: 2019年12月22日)

藤市酒造は本みりんでも有名です

ラベル情報

菊鷹 Hummingbird 純米 無濾過生酒 30BY

  • 〈醸造元〉 藤市酒造(愛知県稲沢市)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 富山県産雄山錦100%
  • 〈精米歩合〉 70%
  • 〈酵母〉 金沢
  • 〈特定名称/種別〉 純米酒
  • 〈アルコール度数〉 15度
  • 〈原材料〉 米(国産)、米こうじ(国産米)
  • 〈製造年月〉 31-03

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