The Joy of Sake 2017 Tokyo イベントレポート
11月1日に開催された “Joy of Sake Tokyo”。2017年度全米日本酒歓評会(U.S. National Sake Appraisal)に出品された380以上の日本酒とそれに合わせた料理が楽しめるイベントです。
11月1日に開催された “The Joy of Sake Tokyo”。2017年度全米日本酒歓評会(U.S. National Sake Appraisal)に出品された380以上の日本酒とそれに合わせた料理が楽しめるイベントです。
参加者は20代から60代位まで、男女幅広く、ひとりで参加している女性も多かったです。ライトな日本酒ファンからプロの方まで様々なバックグラウンドの方が参加されている印象でした。また、飲みすぎている方を見かけることはなく、全体として上品な雰囲気のイベントでした。
全米日本酒歓評会、すべての出品酒が利き酒できる
会場では、2017年全米日本酒歓評会に出品された380以上の日本酒が利き酒できました。
大吟醸A、大吟醸B、吟醸、純米の各部門での分類に加え、生酛・山廃の日本酒は分けて展示されていました。
すべてを利き酒することは無理だと考え、生酛・山廃はすべて、その後純米、吟醸、大吟醸と進み、気になったものを利き酒するという作戦に出ました。
出品酒は日本全国の酒蔵と米国の酒蔵からのものです。全米日本酒歓評会の審査は全国新酒鑑評会の基準に準じて審査され、審査員も3分の2が日本の酒造業界の方です。
米国のハワイで行われるコンペティションに出品するということは、海外、特に米国への輸出をしていたり目指したりしている酒蔵が出品したのではないかと考えられます。実際、出品酒の中には海外でしか販売されていないものや、ラベルが海外仕様になっているものが多くありました。
全体の傾向として、グルコースのシンプルな甘味があり、酸味や苦味が目立たない、含み香で白玉粉や上新粉のような上品な米の香りのする酒が多かったです。生酛・山廃部門でも、酸味の特徴を活かしたものはあまり多くありませんでした。
吟醸香については、2.5勺の小さなおちょこでのテイスティングであったため、あまり香りを感じることは出来ませんでした。
ハワイアンな雰囲気
中央に並んだ酒、本利き猪口、スポイト、色々なブース。よくある日本酒イベントの風景ですが、常にハワイアンミュージックが流れ、酒の隣に花が飾られているいることで独特の雰囲気が醸し出されていました。
燗酒コーナー
いつも「うーん、この酒、燗にしたい」と思うのですが、ありました! 燗酒コーナー。Okan Station というネーミング。
ミス日本酒がお酌してくれます。
お燗ステーションで飲んで印象に残ったのは「吟ぎんが 浜千鳥」。
酒米、酵母、麹、水、杜氏とすべて岩手県で固めているオール岩手のお酒です。
ボトル裏には酒米農家の方々の写真。業界では超有名な大槌酒米研究会の皆さんです。
東北酒蔵ツーリズム
こちらは東北酒蔵ツーリズムのブース。
ここで気になったお酒は「純米大吟醸 鳳陽」。
獺祭ブース
獺祭ブース。獺祭を飲んだのは久しぶりですが、味が乗って余韻が長くなった印象でした。
配布されていた酒米入りのカードにぐっと来ました。自分の名刺に酒米を埋め込みたくなりました。
充実の料理ブース
日本酒に合わせる料理のブースも充実。
IL GHIOTTONE とろとろ豚とカブのリゾット 京七味風味
最初にいただいたのはIL GHIOTTONEのリゾット。豚、チーズの旨味、ネギ、七味のバランスが良く、とてもおいしくいただきました。ブースで調理していて、料理人さんのかっこいい腕前を見つつ、作りたてが食べられるのが良かったです。
地酒遊楽 裏や 酒菜家 野崎酒店 かも蔵 トリュフと酒盗のポテトパイ 伊勢海老ソースがけ
生酛・山廃ブースのすぐ隣りにあったこちらのブース。いい場所です。生酛・山廃のお酒と旨味のマリアージュを楽しみました。
薫風 酒好菓子盛:薫風白羊羹/きんつば/旬菓餅
和菓子屋さんのブースも。
3種の和菓子といろいろなお酒を合わせました。
きんつばと白雪の「江戸元禄の酒」がよく合いました。
残念ながら薫風のブースは大吟醸コーナーの隣、生酛・山廃ブースの隣に設置したらもっと楽しめたと思いました。でも、白羊羹は吉乃川の大吟醸と合ったので良かったかも。
あとから、それぞれの和菓子と日本酒のマリアージュのガイドのパネルを発見! よくできている説明でした。
Restaurant Kazu 福岡糸島野菜と糸島豚のベーコンのタルト&パルメザンチーズのクレーム・ブリュレ
こちらのクレーム・ブリュレのミルキーさも、山廃や純米酒とよく合いました。
まかないや 九州産煮穴子とスプラウト 燻製沢庵刻みナチュラルチーズ掛けの手巻き寿司
一番人気だったのがこのお寿司。20分待ちの行列でしたが、職人が目の前で巻くのを見ているだけであっという間に時間が過ぎました。
色々な味わいのハーモニーを楽しめる手巻き寿司でした。
気になったお酒
出品酒の中で、「玉川 特別純米酒」が異彩を放っていまいた。私自身、自宅に常備していることもあって、懐かしさと安心感を感じました。
また、酸味がくっきりとした美しい酒「究極の花垣」が特に印象に残りました。
このほか、全コーナーを回って印象に残ったお酒、気になったお酒をご紹介します。
白雪 江戸元禄の酒
「白雪」の醸造元、小西家に伝わる、元禄から明治の酒造りを伝わる『酒永代覚帖』をもとに復刻した酒です。
Mana 1751 classic 山廃仕込純米酒
福井県大野市の真名鶴酒造。福井3号酵母と五百万石を使った山廃仕込み酒。
雪の茅舎 秘伝山廃
手取川 山廃純米吟醸
純米酒 燦爛
地酒天山
夏の純米酒 紀伊国屋文左衛門 中野BC
玉川 特別純米酒
Bo 純米大吟醸
富山県の桝田酒造店。
吟醸 極上吉乃川
辯天 特別純米酒
山形県の「つや姫」を100%使用したお酒。食べるお米のパッケージと同じデザインです。
DAIMON 純米大吟醸 UMAMI
梵 純米大吟醸 夢は正夢
大吟醸 福一
福井県の真名鶴酒造。
大吟醸 究極の花垣
李白 特別純米酒
純米吟醸 上喜元
月の桂 柳
豊の秋 純米辛口 金五郎
月桂冠 Black & Gold
山廃純米 雑賀
ハイレベルで満足度の高いイベント
会場に入ったとき、どのように楽しんだらいいのかがわからなかったですが、少しづつ勝手がわかってきました。
米国のコンテストに出品された日本酒、つまり蔵元さんはこういう酒を米国に売りたいと思っている、そしてこういう酒が米国で受けている、ということを頭に入れながらなるべく多くの酒を利きました。
吐器がなく、口にした酒は全て飲まなければならなかったため結構しんどかったです。また、小さなおちょこでの利き酒でしたので、香りをみることが難しかったです。それでも、出品酒のトレンドを見ることができ、良い体験をしました。
また、料理もレベルが高く、相性も考えられたものが多かったのが評価できました。行ってみたいお店にもいくつか出会えました。
運営では、クロークがあったのは親切でした。また、首から下げるおちょこホルダーが配布されたのは便利でした。ただ、それで両手があいても、配布資料と料理のスタンプカードを持ち続けなくてはいけなかったので、小さなショルダーバッグを持っていったら良かったと思いました。来年は準備物に入れよう。
複数名のミス日本の方と記念撮影ができるコーナーもありました。たくさんの方が楽しんでいました。