落ち着きの中に躍動感がある「常きげん 山廃純米生原酒」日本酒テイスティングノート

〈日本酒レビュー〉とろやかで、均整の取れた濃さがある酒。

落ち着きの中に躍動感がある「常きげん 山廃純米生原酒」日本酒テイスティングノート

「しぼりたて」として購入したのが2018年1月(瓶詰めも同じ月)、0℃前後の冷蔵庫で熟成させ2020年10月に無事開栓。「1ヶ月くらいたってからがおいしいですよ」とデパートの試飲でアドバイスされたので開けずにいたけど、保管しているのを忘れてしまっていたのだ。

3年近くたっているのに開栓直後は硬い印象を感じたけれども、30分ほど経ったらとても落ち着いてきた。生原酒らしいなめらかな口当たりでとてもバランスがよく、熟成感も上品だ。ほのかに生老香があるが、他の香味と心地よく同居している。

テイスティングノート

12°C、清酒グラスで

やわらかでとろやかな口当たりで入る。とても強い甘味は丸くなめらかで、酸味はどっしりとしている。均整の取れた透明感のある濃醇さとジューシーさ、その奥に少しほうじ茶を思わせるやわらかい苦味がある。もち米・みりんの香りもある。よい熟成をしているなあ。落ち着きのなかに、どこか躍動感がある。

24°C、清酒グラスで

さらり。柑橘果汁のような酸味と香りのあと、ほうじ茶の苦味。

◯ 40°C、清酒グラスで

少しピリピリした刺激が出てくる。緊張感があってよい。みりんを思わせるなめらかな甘味。包み込む甘味と蜜の香り。苦味できりりと切れ、ほうじ茶のロースト香りが佇まう。メリハリがあってバランスが取れている。

◎ 50°C、清酒グラスで

乳酸系の香りが立ってくる。やさしくて、おちついた乳っぽさ。ピリピリとした刺激もあって、後半にもち米のニュアンスがある。お布団の中にいるようだ。甘味と苦味があわさって、きれいに整っている印象がある。

(テイスティング日: 2021年1月28日)

ラベル情報

常きげん 山廃純米生原酒

  • 〈醸造元〉 鹿野酒造(石川県加賀市)
  • 〈仕込み水〉 「白水の井戸」名水仕込
  • 〈原料米〉 -
  • 〈精米歩合〉 65%
  • 〈杜氏〉 -
  • 〈特定名称/種別〉 純米酒
  • 〈アルコール度数〉 18度
  • 〈原材料〉 米(国産)・米麹(国産米)
  • 〈製造年月〉 2018-01