伯楽星 純米大吟醸 雄町|日本酒テイスティングノート

〈日本酒レビュー〉探ると相性が見える、でも意識しないと食も酒も進む。究極の食中酒たるゆえんなのかもしれません。

伯楽星 純米大吟醸 雄町|日本酒テイスティングノート

伯楽星 純米吟醸 蔵の華」のテイスティング・ノートで、伯楽星の食中酒はクラシックな食中酒とちょっと違うと書きました。

白身魚とも、赤身の魚とも合う

点と点を合わせるワインの影響を受けた合い方とは違う、日本の伝統的な「邪魔しない」ペアリングの哲学をもとにしていますが、それを進化させたモダンな食中酒、それが「究極の食中酒」だと考えます。伝統的な食中酒より、すこし積極的に料理と向き合う。そういった姿勢です。

仙台の飲み屋さんで伯楽星とお造りを合わせた時、「この酒は白身魚とも赤身魚とも合う」と気づきました。「この酒は赤身より白身魚と合う」「白身には合わないが赤身によく合う」ということがよくありますね。このお酒と合わせたとき、また違った体験をしたのです。

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うま味と重厚感のある赤身魚と合わせると、酒のキレが引き立ってきて、食べ物もまた、キレることで緊張感を持ちます。白身魚と合わせると、酒・食べ物のうま味が顔をのぞかせます。

合う料理に幅がある

ピンポイントに合うペアリングではなく、合う料理に幅があるのです。香りと味わいのバランスが取れていて、突出するところがなくまとまっている酒だからこそ、感じる相性です。

そして、その相性は「探ると見えてくる」けれども、リラックスして楽しんでいると、合うことそのものは隠れて、合うことがもたらす心地よさだけを感じます。意識しないとスムーズに酒の食事も進むのです。

この記事を書くためにこのような飲み方をしたけど、おすすめしません。リラックスして、考えずに、心地よさを感じながら楽しみましょう!

テイスティングコメント

10-12度

冷やした状態でリーデルの大吟醸グラスでテイスティング。

ほぼ無色透明。上立ち香はメロン、青りんご、そしてほのかに白玉粉。口に含むと「ウォー」とうなりたくなる。味の広がりが美しい。膨らみがある、少しだけグラマーな酒。ジューシー。甘味があり、透明感がある。蔵の華とはちょっと違った透明感。セクシーな透明感である。オレンジ果汁、少しバナナ、青いバナナ。口に含んだ時の香りがとてもフルーティー。そしてキレがよい。余韻は長く、オレンジ果汁の香り。

40度の燗酒

とても果汁感が上る。甘味も上る。メロン果汁とオレンジ果汁のミックスのよう。やわらかく、少し米のミルキーさを感じる。

55度の燗酒

ふんわりとホイッピーなテクスチャー。甘味と苦味のバランスがよい。少しカカオの香り。ハイクオリティのミルクチョコクリームのよう。

ベストな温度帯は10度前後

10度前後の温度帯がベスト。燗にするなら40度がよい。おいしい酒は燗酒にしてもおいしいという法則。美術品のような燗酒。

(テイスティング日: 2019年2月22日)

ラベル情報

商品名伯楽星 純米大吟醸 雄町
醸造元新澤醸造店(宮城県大崎市)
特定名称・種別純米大吟醸酒
原材料米(国産)、米麹(国産米)
酒造年度-BY
原料米雄町
精米歩合40%
酵母-
仕込み水-
アルコール度数16度
日本酒度-
酸度-
アミノ酸度-
製造年月19-01
杜氏-
その他情報-

伯楽星 純米大吟醸 雄町