八海山 純米吟醸 雪室貯蔵三年|日本酒テイスティングノート
〈日本酒レビュー〉八海山を醸す八海醸造がある魚沼に古くから伝わる「雪室」と呼ばれる食料貯蔵庫で3年間熟成させた日本酒。
雪室で3年間熟成
八海山を醸す八海醸造がある魚沼に古くから伝わる「雪室」と呼ばれる食料貯蔵庫で3年間熟成させた日本酒。雪室では大量の雪を蔵の中に収納、3度前後の低温が安定的に保たれる。酵素の働きは止まらず、ゆっくりと熟成する温度だ[1]。
雪室は明治から昭和30年代にかけ、北陸地方を中心に日本海側沿岸に広く見られた貯蔵施設である[2]。八海山の雪室は2013年に竣工したモダンな雪室で、貯雪量は1000トンと巨大。1年を通して温度のムラが少ない。その中には貯蓄タンクが20本、雪がある部分から送風することによって温度を保っている[3]。カフェやショップも併設されている。訪問したい。
混じりけのない雪の白さをイメージさせるボトルトラベル
白ボトル。シンプルなラベルには毛筆体で「八海山」その下には新聞に使われるようなスタイルの文字。日本海側の雪の無垢な白さ、雪室の安定した低温をイメージさせるデザインである。
全体的にバランスの取れた、軽やかなお酒
透明感のあるクリアでクリスタルの色調。柔らかな口当たりから口の中では軽やかに流れる。さっと上る酸味でキレが良く、余韻が長く続く。
爽やかで上品な印象。すだちや杏の華やかな香りだが控えめ、余韻にはこれらに加え白玉粉の上品な香り。1001号、M301酵母らしくなく香りは控えめ。やわらか甘みを感じ、上品だが力強い苦味、口の中をさっと上るよううな軽やかな酸味。同時によく切れる。長めの余韻では柑橘果汁のような酸味と香りが持続。
3年熟成だが、老ね香や熟成感はほとんど感じられなかった。熟成前のものを飲んでいないので想像になるが、香りが穏やかになり、甘味が落ち着いたのだろう。
8から12度でワイングラスで飲用したい。白身魚の塩焼きやミルキーさの少なめの生牡蠣、焦がしバターの芳香が高いフィナンシェと合わせたい。
酒カリエンテ京都にて。
(テイスティング日: 2017年8月20日)
ラベル情報
- 商品名: 八海山 純米吟醸 雪室貯蔵三年
- 醸造元: 八海醸造(新潟県南魚沼市)
- 原材料: 米(国産)、米こうじ(国産米)
- 醸造年度: -BY
- 原料米: 山田錦(麹米)ゆきの精・五百万石(掛米)
- 精米歩合: 50%
- 酵母: 協会1001、M310
- アルコール度数: 17度
- 日本酒度: -1
- 酸度: 1.5
- アミノ酸度: 1.3
- 製造年月: 2017-03
- 杜氏: -
- その他情報: -
- 商品ページ: http://www.hakkaisan.co.jp/sake/yukimurocyozousyu