「フランス惣菜と日本酒」日本酒レッスン その4 イベントレポート〈後編: スイーツ〉
日本酒をその周りの文化と一緒に学び、楽しむ「日本酒レッスン」第4回「フランス惣菜と日本酒」のレポート。前編での3種類のフランス惣菜と日本酒を合わせるワークショップのあとは、スイーツと日本酒を合わせて楽しみました。
日本酒をその周りの文化と一緒に学び、楽しむ「日本酒レッスン」第4回「フランス惣菜と日本酒」のレポート。前編での3種類のフランス惣菜と日本酒を合わせるワークショップのあとは、スイーツと日本酒を合わせて楽しみました。
フランボワーズのクレープ ココアソースがけ
【山本稔子先生】クレープの生地は仕込んでから2日寝かせてます。熱々にしたフライパンで一気に焼き上げて、自家製のフランボワーズジャムをはさみます。
フランス・ペック社のココアで作る、力強くも香りのよいココアソースと一緒に。
まずは美しいクレープ。私は稔子さんのクレープの大ファンです。生地を2日も寝かせることで実現するモチモチ感に懐かしさを感じるほどです。
間に挟まれたのはフランボワーズのジャム。これは火をかけてから出来上がるまでが10分くらいのスピード調理。「ジャムはコトコト煮詰めるイメージがあるが、時間がかかればかかるほどフルーツの香りが飛んでしまうのです」と稔子さん。さっと仕上げることによりフランボワーズのとてもいい香りが残るのです。
ココアはフランスのベックという会社のココアソース。ココアの味がはっきりしているので牛乳を加えていません。上に乗っているのはいちご、この時期はフランボワーズより苺のほうがおいしいからです。
合わせたのはもちろん、ベリー系の香りがする甘い日本酒、伊根満開です。お酒のベリー感とフランボワーズのジャムの調和、ココアとのマリアージュを楽しみました。
サプライズに紅白マカロン
クレープで幸せな気分になってきたところで、サプライズ!
「紅白マカロン」です。中には2種類の味噌を使ったクリームが使われています。
マカロンの生地が味噌の風味を経由して日本酒と合わさる、というちょっと不思議な体験ができました。
イベント準備の打ち合わせで垣間見たプロの横顔
この「日本酒レッスン」を実現するために、私は稔子さんと幾度も打ち合わせを重ねました。最初の打ち合わせでは候補のお酒を7〜8種類用意し、テイスティングしていただきました。
その時の情景は今でも心に残っています。稔子さんは、一口テイスティングするごとにじっと目を閉じ、しばらく考えました。話しかけることもできずに待っていると、稔子さんは「ん〜、このお酒はあの料理に合わせたい」とつぶやきます。
そして、その次の打ち合わせで実際に作っていただいたフランス惣菜と日本酒を合わせるとピッタリ! 感動さえ覚えました。1回のテイスティングだけで酒と料理をひっくるめた味の設計をする。そして、それはまったくずれていない。職人魂を感じました。
このレッスンで伝えたかったこと
料理とお酒の組み合わせには基本のルールがあります。でも、個別の組み合わせはやはり試してみないとわかりません。どの味とハーモニーを奏でるのか、どの香りと合うのか、一緒に食べて飲む人と話しながら感じたり、考えたりする。これは本当に楽しいことです。
そのために必要なのは、本当においしい料理と本当においしいお酒を味わうこと。それらを組み合わせる体験をすること。この体験を「日本酒レッスン」でしていただき、持ち帰って欲しい。そう思って企画しました。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
フランス惣菜・スイーツを日本酒と合わせるというはじめての試みでしたが、参加者の皆さん、山本稔子先生、ビストロ・セーの皆さんに支えられ、実現することができました。これからも固定観念にとらわれない日本酒の楽しみ方を提案していきたいと思います。ありがとうございました!
(2016年1月16日開催)
今後のレッスン予定
今後の「日本酒レッスン」の開催予定につきましては、イベント予定・申し込みページをご覧ください。