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飲むと再び台中を訪れたくなる「初霧純米吟醸」世界のSakéテイスティングノート

日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇 日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇

飲むと再び台中を訪れたくなる

2019年2月に台湾の台北に旅行したときに買ってきた酒。飲んでみると、うむ、おいしい! 初霧は年々おいしくなっていると思う。そしてよい熟成をする酒だ。

瓶詰めから2年弱、複雑で奥行きが深いバランスの取れた熟成香の奥に、初霧らしさ、香米の甘い香りが構えている。40度くらいの燗酒でさらにやわらかく、やさしい酒となる。台中を旅行したときの風景が目に浮かんでくる。また行きたくなる。これが地酒の力。

原料米の「益全香米」は蔵のある霧峰地区で栽培されている。地元台中市霧峰区の行政院農業委員会農業試験所で、キヌヒカリと台4号の交配で生まれた品種だ。開発チームを率いた郭益全博士の名をとっている。台湾の知人たちの話を聞くと、独特の香りで好みが分かれるものの人気は高いという。

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今回は台北にある、地酒や農産物を取り扱うおしゃれなアンテナショップ禾發堂 Hofatownで購入した。初霧がフィーチャーされており、素敵なディスプレイを見ているだけでもいい気分になった。

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テイスティングコメント

おいしい! 台中に行ったときの思い出が思い浮かぶ。

11°C ISOグラス

上立ち香は甘い香り。うーんこれはなんだ? ミルクキャラメルだ!

11°C 清酒グラス

清酒グラスに持ち替える。複雑で奥行きの深い味わい。ミルキーなニュアンスの奥に少しほうじ茶の香り、そのさらに奥にデーツの甘いドライフルーツの香り。この香りが初霧らしくて好きなんだよなー。懐かしい。

20°C 清酒グラス

常温でも飲んでみる。なぜか爽やかな感じになってきた。ちょっと驚いた。ほのかにミントの香りがして、後半は奥にでデーツの香りがする。

40度清酒グラス ◎

少し温めた。とてもおいしい。やわらかくて、やさしい。唇のような口当たり。酸味があって芯のある味わい。奥にミルクキャラメルとデーツの香り。なんだか安心する。おすすめの温度帯。

51度清酒グラス ◯

軽やかになる。今まで引っ込み思案だったデーツの香りが最初から来る。すぐに来る。そして強い。デーツの香りが前面にあるも、その奥に里芋の香りが追いついてくる。香米(台湾の香り米、タイのジャスミン米とは違う)を炊いたときの香りだ。根菜と穀物を思わせる甘い香り。収斂味で切れて、余韻にも里芋の香り。

燗冷ましで45度清酒グラス

そこから少し、冷ましてみた。飲み進められる。甘い芋の香りが主体、余韻は長く、酸味も甘味も存在感がある。

(テイスティング日: 2020年12月6日)

ラベル情報

初霧純米吟醸

  • 〈醸造元〉 霧峰農會酒莊(台中市霧峰區)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 益全香米
  • 〈精米歩合〉 40%
  • 〈杜氏〉 -
  • 〈特定名称/種別〉 穀類醸造酒
  • 〈アルコール度数〉 15度
  • 〈原材料〉 益全香米、米麹
  • 〈製造年月〉 2019-01-04

参考資料