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武甲正宗 秩父 純米酒|日本酒テイスティングノート

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

秩父の名山、武甲山の伏流水は硬水で、これを仕込み水に使うので辛口の酒ができるといいます。酒の名前も「武甲正宗」で、地元を誇りに思う気持ちが伝わってきます。

クラシックな日本酒。バランスがよく、伝統工芸を思わせる仕上がり

カッテージチーズのようなミルキーなニュアンス、青いバナナ・白桃・ライチ・甘夏の香り。クラシックな印象の日本酒で、それが洗練されているさまが、伝統工芸を思わせます。

45度くらいに温めると、味が広がり、アルコールの刺激も心地よく感じます。60度に温めると、ミルキーでオレンジな印象で、長い余韻の途中でぐっと米の甘味がやってくるのに驚きます。時間軸を楽しめる、ストーリーのある味わいです。ここからの燗冷ましもおすすめです。

アルコールの心地よい刺激を生かして、たけのこや万願寺とうがらしの塩焼き、それから、ミルキーなニュアンスを同調させて杏仁豆腐に合わせたいですね。

テイスティングコメント

16度、ISOテイスティンググラスで。ほぼ無色透明。上立ち香はカッテージチーズ・白桃。口に含むと、シャープで酸味がしっかり、甘味も強い。どちらかと言うと爽やか。洋梨とほのかに甘夏・ライチ・金平糖・バナナ・カシューナッツ・ミルクチョコの香り。そしてうま味がやってくる。余韻は長く、青いバナナのニュアンス、うま味とやや収斂味。ミネラル感がある。

常温では、乳酸由来の香り、シロツメクサのような小さな花をイメージさせる香り。口当たりは柔らかに入るが、アルコールの刺激を感じる。ドライ。そこからまた、可憐な甘味とアプリコットの香り。余韻は長く、またアプリコットと甘くないミルク飴の香り。

45度では、思わず笑顔が溢れる。味が広がる。酸味と香りがじわっと上がってくる。甘味も存在感がある。アルコール感があり、その刺激が心地よい。

60度にまで上げると、多幸感がもたらされる。温度を感じるのもよい。ミルキーに入って、オレンジのニュアンス。余韻は長く、またもやミルキー。その後、時間差でぐいっと米の甘みを感じる。ストーリーがある味の変遷。

そこから42度くらいまで燗冷ましをすると、オレンジやみかんの印象が支配的になる。甘ったるいが、心地よい。ふわりと切れるのもまた、よい。秩父名産の「おなめ味噌」にも負けない。

(テイスティング日: 2019年5月30日)

ラベル情報

武甲正宗 秩父 純米酒

  • 〈醸造元〉 武甲酒造(埼玉県秩父市)
  • 〈仕込み水〉 武甲山伏流水(硬水)
  • 〈原料米〉 -
  • 〈精米歩合〉 60%
  • 〈特定名称/種別〉 純米酒
  • 〈アルコール度数〉 15度
  • 〈原材料〉 米(国産)、米麹(国産米)
  • 〈製造年月〉 01-05

参考資料

  • 一般社団法人 埼玉県物産観光協会. Saitama TheSake 48 “大人諸君、埼玉の酒をこのまま知らないでいいのか。" 2019年5月9日.