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母情 上撰|日本酒テイスティングノート

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

クラシックな味わいのお酒

どぶろく研究大会の翌日、郡上大和の温泉「やまと温泉やすらぎ館」にて入湯後にひとり一献。地元の酒「母情」を見つけ、お店の方のおすすめ通り熱燗でいただきました。

クラシックな味わいで、乳酸由来のミルキーな香りとアルコールの刺激で特徴づけられる酒です。60度の熱燗。どんどん飲み進められました。おちょこで燗冷まし(45度くらい)したところ、やわらかい米のニュアンスを楽しめました。

合わせた豚汁

前日、大会で食べたイノシシ汁がまだ心のなかにあったので、豚汁を注文。同様に薄い味付けでした。ここはもう、豆味噌文化ではないのです。

残念ながら酒の苦味が際立ってしまい、相性はそれほどよくなかったのですが、この酒は塩味の効いた郷土の保存食をつまみながら、ほぼ単独で楽しむのがいいと思いました。

名水「古今伝授の里の水」で仕込む酒

「母情」を醸す平野醸造はやまと温泉から徒歩20分ほど南に行ったところにあります。「母情」は二代目がその母(創業者平野吉兵衛の妻じゅう)を偲んでつけた銘柄です。仕込み水は名水「古今伝授の里の水」。このあたりは水が評判の土地なのです。

平野醸造

テイスティングコメント

熱燗

60度くらいの熱燗で。

最初、デーツのような甘い熟成香が強く上がってくるが、2杯目からは感じなくなる。

軽やかなお酒。さらりとした口当たり。酸味はほどほど、甘味もそこそこ、アルコールの香り。ミルキーでカッテージチーズやクリームチーズの香り。後口に米を感じるコクとウエハースの香り、そしてアルコールの刺激。

どんどん飲み進められる酒だ。

燗冷まし

燗冷ましで45度くらいまでに。デーツの香りが再び現れ、そのあとやわらかい米のニュアンスを感じる。舌にはピリピリとアルコールの刺激。余韻は程々で、米を感じる香り。少し甘さがべとつくが、アルコールの刺激がしっかりしているのであまり気にならない。

豚汁と合わせた

熱燗と豚汁、温度が近い事もあって、味わいからも合いそうに予想したが、残念ながら酒の苦味が強調されてしまった。

豚汁は、郡上の名産、宝暦味噌と白味噌のブレンドがベースの味。薄味で味噌の味わいがやさしい。里芋・人参・大根・ごぼうといったゴロゴロした根菜がたっぷりでおいしい。

ゆったりと広い面でいろいろな料理に合わせるか、塩味の強い漬物などと合わせながら楽しみたい。

(テイスティング日: 2019年11月15日)

ラベル情報

母情 上撰

  • 〈醸造元〉 平野醸造(岐阜県郡上市)
  • 〈仕込み水〉 名水「古今伝授の里の水」
  • 〈原料米〉 -
  • 〈精米歩合〉 70%
  • 〈特定名称/種別〉 -
  • 〈アルコール度数〉 15度
  • 〈原材料〉 米、米こうじ、醸造アルコール、糖類
  • 〈日本酒度〉 +4
  • 〈製造年月〉 R01-10

母情 上撰