鯵ヶ澤 番外 山廃純米原酒|日本酒テイスティングノート
〈日本酒レビュー〉ドライながら山廃らしいふくよかな香りの酒。ぬる燗にすると開き、料理と合わせるたびにほっぺが落ちた。
青森県鯵ヶ澤町にある尾崎酒造の醸す酒。1860年創業、仕込み水には白神山地の湧き水を使用[1]。白神山地は酵母が採取されたり、良質な水を共有したり、青森県と秋田県の酒造りに重要な土地だ。
久々の「あてや」で出会ったのが「鯵ヶ澤」。初めて見る酒だったので飲んでみることに。
ちょっとツンデレな酒
まずは常温で。ライトな口当たり、すぐにアルコールの刺激を舌に感じる。甘味は控えめで乾いた酸味。乳酸菌飲料、干し草、ミルクキャンディーの香り。苦味で切れはよく。燗にしたらいいだろうなと思う。
うっすらとしたミルキーさと酸味を活かし、シンプルな味付け、たとえば塩焼きした鶏肉や白身魚似合わせたい。
温めると思った以上にやさしくなる
甘味、うま味を持ち上げようと、45度位の燗酒にする。やわらかい口当たり。意図したとおり甘味が上がり、酸味が沈む。少しマットな蜜のようなニュアンス。旨味を感じる。野菜スープのよう。香りは漬け込んだ柑橘、米粉、アニス、ほのかに和三盆。野菜スープの印象は、やわらかいうま味だけでなく、温度とえぐ味によって演出される。後口はアルコールの刺激、ミルキーな香り、そしてうま味。
口当たり、うま味、香り、それらが調和してやさしさを感じさせる。
豚角煮(煮玉子付き)に合わせてみた。味の強さが釣り合う。角煮のうま味が上がり、脂身の美味しさを引き立て、骨格を与える。アルコール感と苦味が支えるのだ。脂分との相性が素晴らしい酒だ。ホルモンとも合わせたい。半熟卵の卵黄と合わせると、酒の米のニュアンスが強調され、それが卵黄のコクを包み込む。卵白とは、酒の酸味が引き立ち、つるりとした食感が酒の口当たりに移る。酒も卵白とおなじようにつるりとしたような錯覚をもたらすのだ。
「立ち呑み あてや」にて。
(テイスティング日: 2018年12月27日)
ラベル情報
商品名 | 鯵ヶ澤 番外 山廃純米原酒 |
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醸造元 | 尾崎酒造(青森県西津軽郡鯵ヶ沢町) |
特定名称・種別 | 純米酒 |
原材料 | 米(国産)、米麹(国産米) |
酒造年度 | -BY |
原料米 | 華想い/まっしぐら |
精米歩合 | 60% |
酵母 | - |
仕込み水 | - |
アルコール度数 | 18度 |
日本酒度 | +1.6 |
酸度 | 1.9 |
アミノ酸度 | - |
製造年月 | 30-10 |
杜氏 | - |
その他情報 | - |
商品ページ | - |