2017年1月、インバウンド観光関連の事業をされていたり関心が高い方々のコミュニティーで「外国からのお客さんに日本酒の魅力をどのように伝えるか」についてお話をする機会をいただきました。 お話した内容から幾つかのポイントと、参加者の方との対話で気づいたことなどをお伝えします。 日本の食文化をあまり知らない方にどのように日本酒の魅力を伝えるか 日本酒についてどの程度知っているかは人によって違います。また、日本酒の原料である米を身近に生活しているかどうか、発酵食品のふんだんな食文化なのか、日本酒と同じ蒸留酒のワインに親しんでいるか、によって切り口を変えてくとよいでしょう。 何が魅力か 日本酒をどこまで知っているかに関係なく、日本酒の魅力を伝えるとしたら、私はこの2点を選びます。 1. 米、水、微生物だけで作られるアルコール飲料 日本での基本的な農作物、食料である米を作って造るお酒です。原料は米と水と微生物だけです。 日本酒がテキーラやジンと同じようなハードリカー、蒸留酒であると誤解されている方もいらっしゃいます。ワインやビールと同じように農作物を発酵させるだけで造った醸造酒だということを知ってもらいたいですね。 2. 味わいと香りの幅が広い 日本酒は幅広い味わい、バラエティに富む香りのあるお酒だということを強調したいです。やさしくて、強くて、繊細で、荒々しいお酒なのです。 いわゆる普通酒、ベースラインの品質のお酒を熱燗にして飲むスタイル。そしてワイングラスで香り高い吟醸酒を飲むスタイル。海外で日本酒といえばこの2つ(ほとんどは前者)であるといいます。それだけでなくもっと幅広い香りと味わいの日本酒があるということを知ってもらいたいです。 ワインの文脈で日本酒を語る 日本酒の飲み方、楽しみ方は食文化そのもので、歴史も深いです。でも、日本文化の外で日本酒を表現するには、ワインの文脈で語るのが伝わりやすいです。 もちろん、