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奥河内で酒林(杉玉)作り体験のワークショップに参加!マイ杉玉を作ってきました!

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

酒蔵の軒先によく吊るされている「杉玉」。日本酒のシンボルにもなっているミニマリスティックな日本の美。日本酒が好きになると一家に一つ欲しくなりますよね。

そんな思いを心に抱きつつ、ソーシャルメディアで偶然見つけたのが「河内長野の杉で杉玉をつくろう!」というワークショップ。参加してきました!

のどかな丘の上の木根館

会場は木根館(きんこんかん)、林業が盛んな河内長野市にあります。

河内長野駅から一日に数本しかないバスに揺られてゆくと、ちょっと開けた小さな盆地の「くろまろの郷」。ここでバスを降りて下り、少し丘を登ったところに木根館はあります。眼下に美しい風景が広がります。

杉玉作り

河内長野市の木材を使った、大人から子どもまで楽しめる様々なワークショップが開催されている木根館。ワークショップの作業部屋の前には杉玉がすでに3個も吊るされていました。テンションが上がります。

杉玉作り

館長さんのレクチャー

まずは木根館の館長さんからのレクチャーです。河内長野の林業の話から、杉玉の由来まで。その要点をご紹介します。

杉玉作り

河内長野の林業

面積の70%が森林で湿られている河内長野市は林業が盛ん。その始まりは、およそ300年前。奈良県の吉野の林業の影響です。

河内長野の林業は、最初は酒樽の材料の供給から始まりました。河内長野産の木材は年輪が緻密で木肌が細かく、高い評価を得ています。

杉玉

杉玉は日本酒や酒造りのシンボルとなっています。(「酒林」とも呼ばれます)

始まりは杉の葉を束ねて神社に奉納するものでした。その後江戸時代にそれを丸く刈り込んだものになりました。今は奉納されるだけでなく、造り酒屋の軒先に吊されているほか、和のインテリアとしても注目されています。

造り酒屋では新酒が出来上がる頃に作りたての杉玉を飾り、その葉が茶色くなっていく様子を酒が熟成していく様に見立てたといいます。

酒蔵さんによっては、毎年新しいものに取り替えたり、何年も同じものを飾っていたりする所があるそうです。中には、毎年新しい杉玉を追加しつつ以前のものも残して、経過した時間による違いを見て楽しめるようにしているところもあるとか。

日本酒も、ひと夏熟成させたり、3年、5年と熟成させたりするものがあります。杉玉も同じように熟成の長さによって味わいも変わってくるのかな、と思いました。

さっそく杉玉を作ります

手渡された設計図。直径10センチ位の針金で作ったボールに、杉の葉を刺してゆき、丸く刈り揃えるというシンプルな作業です。

杉玉作り

こちらは、用意していただいた杉の葉。50年物の杉を間伐したものです。こんなにどっさりですが、一つの杉玉を作るるのにプラスチックの大きなかご(写真の上の部分)に2杯分ほど必要です。

杉玉作り

杉の葉を程よい長さに切って、ひたすら針金ボールに詰めていきます。かなり緻密な作業です。どんどん口数が少なくなり、集中。ただひたすら、杉の葉を隙間に詰めていきました。

杉玉作り

1時間半ほどがんばって、やっとここまで。全体の3分の1もできていません。ここでランチ休憩。サクッと食べてすぐに戻ります。もう頭のなかは杉玉のことで一杯なのです。

杉玉作り

午後の部。また杉の葉を植え込みます。慣れてくると楽しくなってきます。どんどん手が進みます。ちょっとした隙間を見つけて、ペンチを使ってびっしり差し込みます。

コツは3〜4本に分かれている葉を使うこと。外に向かって広がるので球の表面まで密集した状態になります。

杉玉作り

どう考えても時間が足りない! 木根館の方にも手伝ってもらって、ようやく植え込みが完了。ここまで4時間以上かかりました。

杉玉作り

そして次は「刈り込み」。長時間緻密な作業を続けたあとの気持ち良い工程です。

まず、大きなハサミで大体の形に揃えていきます。切った反動で杉玉が回ってしまうので、やりにくいなあと思いました。でも、館長さんのお手本を見ていると、その反動をうまく利用して分がが動かずに全体を刈っていることに気が付きました。

杉玉作り

大体の形に刈りあがったのがこれ。雰囲気が出てきました!

杉玉作り

次の工程で使う道具はなんと「バリカン」。丸く刈り揃えて行きます。私は坊主時代、バリカンで自分で毎週頭髪を刈り込んでいたので、「これはお手の物」と意気込みましたが、やっぱり難しい。反動で杉玉が回るのをうまく活用できないのです。勢い余って吊るすための麻ひもを切ってしまうハプニングも。

杉玉作り

バリカンで刈り込みが終わったあとは、小さなハサミで細かい部分をきれいに揃えていきます。

杉玉作り

真剣になるときは目がまんまるになるということを、この写真で発見しました。

杉玉作り

細かい部分を刈り揃えたら、最終工程。大きな羽子板でトントンと叩きながら成形していきます。同時に刈ったときの屑が落ちていきます。

杉玉作り

でもやっぱり微妙な凹凸を見つけて、またハサミで調整。必死になると面白い体勢を取ることがわかりました。

杉玉作り

ここで時間が来てしまい、終了。9時半から16時半まで、みっちりと杉玉作りに励みました。

一緒に参加した友人と、「すぐ終わるやろ。1個普通の大きさで、2個めは卓上サイズのちっちゃいの作ろっかな」などと言い合っていたものの、最後はぐったり。結構疲れたけど、達成感がありました。

木根館の方には、杉の葉を最初に用意していただいたり、要所要所で手を貸していただいたり至れり尽くせりでしたが、やはり大事な作業を全部自分でできるのは良かったです。

ここまでしっかり作らせてもらうことで、ものづくりの楽しさを感じ、大変さに対する想像力を持つことができました。ワークショップの設計に相当議論と準備を重ね、経験を動員したのだろうと想像できます。

オフィスに飾る

出来た杉玉は、河内長野から帰宅する途中、難波の飲み屋街を連れ回されたりしましたが、無事たどり着き、オフィスの軒先に吊るすことになりました。

この写真は作って2週間ほど経った状態。直射日光と雨風に晒され、ちょっと茶色くなっています。夏暑く冬寒い町家に入居していますが、このときほど、町家のオフィスにしてよかった、と思ったときはありませんでした。

ちょっと形がいびつだけど、自分で作った杉玉には愛着がわきます。また作りたい、今度はもっと上手に作りたい、と思いました!

杉玉2週間目