Latest

4. ほの苺|酒造家 藤岡美樹さん インタビュー

4. ほの苺|酒造家 藤岡美樹さん インタビュー

いちごの日本酒、「ほの苺」 藤岡さんが川鶴酒造に入って最初に手がけたお酒は「ほの苺」日本酒といちごを使ったリキュールでした。 「ほの苺」は予想に反して大ヒット、四季を通して4種類のフルーツを使ったリキュールへとシリーズ化されました。 — その後は何をされました? 春にちょうどいちごのお酒の試験製造の話があったので、それをやりました。冬からは蔵の造りの手伝いをさせてもらいながら、入って1年後の2月にはじめて、「ほの苺」というリキュールを出しました。 それが思いのほか、おかげさまで爆発的に売れました。1000本くらい詰めたら余るくらいかな、と思っていたんですけど、蓋を開けてみたら発売から3ヶ月で7000本くらい売れたんですね。 こういう商品で皆さんが反応してくださるというのがわかって、せっかくだから香川の地元のとれたての果物を使って、四季を通して楽しめるものにしようということで、夏の桃、秋のぶどう、冬のみかんとシリーズ化しました。 — シリーズの人気はどうでした? おかげさまで、全部人気があったですね。お客さんのほうから「ほのシリーズ」って言ってく
日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇
3. まず、生き残る|酒造家 藤岡美樹さん インタビュー

3. まず、生き残る|酒造家 藤岡美樹さん インタビュー

大切なのは「生き残る」こと 学生の時にはじめてしぼりたてのお酒を飲んで思った「造って売れる蔵人になりたい」という夢は実現しました。 しかし、つぎに転職した酒蔵で大変なことが起こります。杜氏(酒造りの最高責任者・チームのリーダー)を目指して入った酒蔵が、1度も酒造りをすることなく、たったの3ヶ月で倒産してしまったのです。藤岡さんを含め社員全員が解雇されてしまいました。藤岡さんにとって大きな転機でした。 — 次に入った酒蔵が倒産して、藤岡さんの中で何が変わりましたか? それまでは、「美味しい日本酒を造ってさえいれば、飲んでくれるだろう、売れるさ、やっていけるさ」と思っていたんですけど、本当に目の前で自分の乗っている船が沈んでしまって。そんなことを言っている場合ではないと。 日本の酒蔵はどんどん減ってますし。いまは日本酒ブームみたいな感じで、若い方が飲んでくださっていますけど、それでも、日本酒の一年間の製造量は増えていないんですね。 日本酒を飲んでもらうためだったら、生き残るためだったら、何でもやらないとだめなんだという、決意が生まれました。 川鶴酒造に
日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇
2. 造って売れる蔵人|酒造家 藤岡美樹さん インタビュー

2. 造って売れる蔵人|酒造家 藤岡美樹さん インタビュー

「造って売れる蔵人」になりたい! やっぱり、お酒が造られるところ、発酵している様子を見て、こういうものを自分で造ってみたいと思ったのと、しぼりたてを飲んでみた時に、「こんなに美味しいものをみんな知らずにいるのはもったいなあ」と。 だったら美味しいものをちゃんと造って、造った人の言葉で「日本酒は美味しいよ」というのを伝えて、そして飲んでもらうようになりたい。そう思いました。 — それで酒蔵に就職したのですね はい。私が就職した20年前は、酒造りの世界は完全に男性社会で、ほとんど女性の蔵人さんはいなかったです。 地元の三重では酒蔵への就職がなくて、就職できないんだったら、デパートでお酒を売る勉強をしながら冬には蔵でバイトに行こうかなと思っていたところ、八咫烏(やたがらす)さん(奈良県の北岡本店)で「そんなに酒造りがしたいんだったら、うちに来たらいいよ」ということで採用してもらいました。 「八咫烏(やたがらす)」の北岡本店(奈良県) — 酒造りはかなり重労働ですよね。力仕事もされたのですか? 酒造りはチームでやるんですね、5人とか6人とか。その中の一人が半
日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇
1. 日本酒の「感動」が原点|酒造家 藤岡美樹さん インタビュー

1. 日本酒の「感動」が原点|酒造家 藤岡美樹さん インタビュー

(2015年7月公開) 食のインタビュー、4回目。今回お話をお伺いしたのは酒造家の藤岡美樹さんです。藤岡さんは香川県観音寺市の川鶴酒造で酒造りに取り組んでいます。 インタビューのために川鶴酒造のはっぴを着てくださった藤岡さん。この日は筆者が主催する日本酒イベント「町家でお酒を楽しむ会」に出演していただくために京都に立ち寄ってくださいました。そんなわけでインタビューは京町家を利用したイベントスペース「町家スタジオ」で行われました。 藤岡さんが酒造りの世界に入ったきっかけは「微生物の魅力」でした。 酒造りは「発酵」が命。藤岡さんが発酵に興味をもったのは小学校高学年の頃、パン作りをしていて生地が発酵して膨らむ様子に興奮を覚えたといいます。 それから、発酵するときの微生物の働きに魅了されつづけ、東京農業大学の醸造学科に進むことになりました。 きっかけは酒造りの現場での「感動」 — 日本酒造りの道に進みたいと思ったきっかけは何ですか? 酒造りをしたくて東京農業大学へ入ったわけではないんです。もともと微生物の勉強をしたくて入りました。 ただ、東京農大の醸
日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇