意図しない熟成が成功するとき「モダン仙禽 亀ノ尾」日本酒テイスティングノート
〈日本酒レビュー〉冷蔵庫に忘れていた仙禽を空けたらよい熟成をしていたのです。
意図しない熟成が成功する時がある
購入から4年経って、冷蔵庫の奥から発見された仙禽。大好きな米、亀の尾(地元産)の酒だ。
冷蔵庫という穏やかな環境ではあるものの、この酒は熟成したらどうなるかと、あまり期待していなかった。でも、意図しないこの熟成期間を経た仙禽を飲んでみたら思わず微笑むおいしさだった。
なめらかで濃厚、でも激しくない
冷蔵庫から出して少し待ち、14度くらいの温度になった。穏やかなフローラルな香り、そして洋梨の香りがあって、味に引っかかりがなく飲み進められる味わいだ。酸味もあってジューシーで、粉砂糖の甘味がある。バランスがとれている。長い余韻には、ほのかな熟成香と米の香りとミルキーさもある。熟成を感じさせる枯れ葉の香りが印象的だった。
温めると田んぼの情景
体温より少し高めの温度まで温めてみたら、さらによくなった! 梨の果汁のように甘くてさわやかで、心地よい。50度近くまでに上げると、後口に酸味とウエハースの香りがあって、収穫の情景が心に浮かぶ。酸味と柔らかな米のニュアンスを生かして、クリームチーズや海老真丈に合わせたい。
(テイスティング日: 2020年11月23日)
ラベル情報
モダン仙禽 亀ノ尾
- 〈醸造元〉 せんきん(栃木県さくら市)
- 〈仕込み水〉 -
- 〈原料米〉 ドメーヌさくら・亀ノ尾(栃木県さくら市産)
- 〈精米歩合〉 麹米: 35%、掛米: 50%
- 〈杜氏〉 -
- 〈特定名称/種別〉 -
- 〈アルコール度数〉 15度
- 〈原材料〉 米(国産)・米こうじ(国産米)
- 〈製造年月〉 2016-07
- 〈その他情報〉 原酒・火入れ