米宗(こめそう) 生酛 夢吟香 完全発酵 純米酒 |日本酒テイスティングノート
〈日本酒レビュー〉常温だと秋、燗だと春を感じる。心に染み渡る酒だった。
日本酒の銘店「若水」。近所にあり気にはなっていたが、なかなか訪問できなかった。この日、ひょんなことから願いが叶うこととなった。日本酒愛にあふれるご主人のお話を聞き、おすすめのお酒を飲む、そんな楽しい時間を過ごしたのであった。
この日は自家熟成みりんでスタート。
そのあと、おすすめいただいたのが、この「米宗 完全発酵 夢吟香」。酒米「夢吟香」は吟醸酒に向けに開発された品種で、若水をベンチマークとし、より栽培しやすく、より精白できることを目指して作られた[1]。若水と山田錦を交配したもの。そう、お店の名前にも関わっているのだ。そして、その夢吟香を吟醸酒ではなく生酛純米に醸したこの酒。ワクワクする。
シャープでボールド、温めるとバランスが最高に
完全醗酵である。まずは常温で。
尖っている。シャープに入り、ボールドに進む。しっかりした味わい。酸味がすごく強い。それだけでなく特徴的だ。フルボディーで苦味はしっかり。少しビニールのような印象の透明感がある。香りは米飴、柑橘ピール、アーモンド、ザラメ。穀物を感じる複雑で豊かな香りだ。少し熟成感もある。苦味は正露丸のようなアルコールのような、そんな印象。そして収斂味がある。果物や野菜の渋み。余韻は長い。酸味と苦味、渋み。カシューナッツの香り。そしてアルコールの刺激。
これは温めたい。燗を頼んだ。温度はお任せである。
50度位の温度帯でサーブしていただいた。断然いい! 酸味がしっかり、野菜の香り。うーん、バランスがよい。軽やかで飲み続けられる。穀物と野菜の茎の香り。
常温だと秋、燗だと春を感じる。心に染み渡る酒だった。
野菜のニュアンスを活かしてうまみたっぷりの野菜スープに、温度帯を合わせてペアリングしたい。穀物やナッツの香りを活かし、ナッツやチョコレートにも。
(テイスティング日: 2018年12月4日)
ラベル情報
商品名 | 米宗(こめそう) 生酛 夢吟香 完全発酵 純米酒 |
---|---|
醸造元 | 青木酒造(愛知県愛西市) |
特定名称・種別 | 純米酒 |
原材料 | 米(国産)、米こうじ(国産米) |
酒造年度 | -BY |
原料米 | 愛知県産夢吟香 |
精米歩合 | 70% |
酵母 | - |
仕込み水 | - |
アルコール度数 | 19度 |
日本酒度 | - |
酸度 | - |
アミノ酸度 | - |
製造年月 | 30-06 |
杜氏 | - |
その他情報 | - |
商品ページ | - |
加藤満(農業総合試験場作物研究部作物研究室). 新しい酒米品種「夢吟香」の特性. ~高度精白が可能な吟醸酒に向く酒米。ふくよかで、香り豊かな酒ができる~ ↩︎