しっかりした味わいの燗上がりする酒「富成喜(ふなき)純米吟醸 限定二百貫」日本酒テイスティングノート

〈日本酒レビュー〉常温と燗酒でいただきました。燗上がりする酒で、特徴的な味わいが徐々に変化していく様を楽しみました。

しっかりした味わいの燗上がりする酒「富成喜(ふなき)純米吟醸 限定二百貫」日本酒テイスティングノート

燗上がりする酒で、特徴的な味わいが徐々に変化していくさまがよかった!

まずは常温で。やわらかでややシルキーなテクスチャー。やさしい甘味はやや蜜の感じ。丸い甘味で熟成を感じる。酸味、苦味が強くやや渋味。キレが良く、うま味が残る。すだちの香りが余韻に。

55度くらいの燗酒ではふわっとした口当たりだが、骨格を感じて苦味でよく切れる。燗上がりする酒だ。途中酸味が広がり、つづいて酸味と苦味が渾然一体としながら苦味が重くなる。コハク酸っぽいうま味が強く。余韻は炊いた米の香り。

大将がつけた燗がこの酒のよさを引き出している。おいしい燗酒を出す酒場が飲酒文化を技術で支えているのだ。

2017年11月、肴糀醸 やしろ(名古屋)にて。

やしろの突き出し

ラベル情報

商品名富成喜(ふなき)純米吟醸「限定二百貫」
醸造元舟木酒造(福井県福井市)
特定名称純米吟醸酒
原材料米(国産)、米こうじ(国産米)
原料米神力米100%
精米歩合60%
酵母蔵内保存酵母
アルコール度数15度
製造年月2017-05