いろいろな温度帯で楽しい、甘くてみずみずしい酒「福祝 千葉県産五百万石60 純米無濾過一火」日本酒テイスティングノート

〈日本酒レビュー〉道明寺粉とピンクグレープフルーツの香りで、温めるとしゅんとしたやさしさ。もっと温めるとホットジャムのようになる。

いろいろな温度帯で楽しい、甘くてみずみずしい酒「福祝 千葉県産五百万石60 純米無濾過一火」日本酒テイスティングノート

いろいろな温度帯で楽しい、甘くてみずみずしい酒

濃醇で甘い香りのお酒。とろりとした口当たりで入り、道明寺粉の可憐な米のニュアンスににピンクグレープフルーツ果汁のみずみずしさが寄り添う。温めるとさらにやわらかく、柑橘果汁を思わせる酸味と香りがが芯を与える。60度に上げると、ホットジャムのようになっておもしろい。いろいろな温度帯で楽しめる、ワクワク感のある酒なのだ。

開栓から3年弱、しばらく常温のあと冷蔵庫保管していたものを飲んでみたら、とてもよい熟成をしていた。特徴的な道明寺の香りと蜜っぽさがはちみつの香りの中にあって、温めたときの余韻のポン菓子やほうじ茶の香りが心地よかった。

藤平酒造は房総半島の真ん中にある1716年創業の小さな蔵で、千葉の水と千葉の米を使って「千産千消」の酒を造っている。

テイスティングノート

◯ 15°C、清酒グラスで

桜餅とメロンの香り。とろりとした口当たり。後半に甘味とコクが来る。この広がり方がいい。程よい苦味で切れがよい。

◯ 常温、ISOテイスティンググラスで

甘い香りが立ち上がる。マシュマロや道明寺粉を思わせる。酸味はしっかりと強く、アルコールも感じる。濃醇。少しピリピリした刺激と苦味がある。ピンクグレープフルーツ果汁、オレンジ果汁、ミルク飴、道明寺粉の香り。余韻は長く、酸味と苦味で柑橘ピールのニュアンス。

◎43°C、お猪口で

味が開いてくる、やわらかく、まるくなる。柑橘果汁の酸味が全体を引き締める。いいよ!

53°C、お猪口で

軽やかジューシー。苦味がシャープに感じられ、緊張感を与え続ける。後口に米を感じる。

◎ 60°C、お猪口で

味がしっかりしていて、香りはお米が主体。果物感もまだある。ホットジャムみたい。

ペアリング

豆味噌で味付けしたこってりした味の料理や、脂がのった焼き魚にあわせたい。クリームチーズやローストビーフと合わせて、ソースのような役割をさせるのもよい。

(テイスティング日: 2018年1月16日)

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ラベル情報

福祝 千葉県産五百万石60 純米無濾過一火

  • 〈醸造元〉 藤平酒造(千葉県君津市)

  • 〈仕込み水〉 -

  • 〈原料米〉 千葉県産五百万石100%

  • 〈精米歩合〉 60%

  • 〈杜氏〉 -

  • 〈特定名称/種別〉 純米酒

  • 〈アルコール度数〉 16-17度

  • 〈原材料〉 米(国産)・米麹(国産米)

  • 〈製造年月〉 30-09