もしも米が柑橘だったら、搾るとこんな酒になるだろう「笑四季 特別純米 黒ラベル 生原酒 Sensation 4 Black」「笑四季 竹島榮三郎 越神楽 2017-18 生酒」日本酒テイスティングノート

〈日本酒レビュー〉シトラス・アンド・ライシー、そして濃厚。これが笑四季らしさなんだと実感したのであった。

もしも米が柑橘だったら、搾るとこんな酒になるだろう「笑四季 特別純米 黒ラベル 生原酒 Sensation 4 Black」「笑四季 竹島榮三郎 越神楽 2017-18 生酒」日本酒テイスティングノート

滋賀県大津市で開催された商店街飲み歩きイベント「おさけ日和」。ほろ酔いアーケード街散策も中盤に差し掛かったころ、「燗」と書かれた存在感のある看板を見つけた。燗酒大好きなので自動的にイン!

3種類ほどの滋賀酒を温めて楽しんだ。その中で笑四季のSensationを紹介しよう。この酒を60度くらいの熱燗につけてくれた。

口に含むと強い酸味、甘味もそこそこ。そしてウエハースや柑橘ピールの香り。典型的なシトラス・アンド・ライシーな濃い酒だ。もしも米が柑橘だったら、搾るとこんな酒になるだろう。

燗酒ブースを出たところに出店していた大津の「ラーメン・モリン」が出していたチャーシューに合わせたら、最高だった! チャーシューの脂(これがうまい)を酒の酸味が包み込む。

今回、実はもう一度、笑四季に出会っていた。商店街の終端に出ていた蔵元ブースでのことだ。

ここで飲んだのは「笑四季 竹島榮三郎 越神楽」、新潟県の酒米「越神楽」を使った酒だ。この米は新潟県以外ではこの蔵だけで使われている。杜氏の竹島さんがかつて勤めていた新潟県の酒蔵のつながりだ。竹島さんによると、越神楽は酒造りの観点からもとても質の高い米だとのことだ。

少し冷やした温度でいただいた。こちらも甘くて、濃い。グラニュー糖のようなニュアンスと同時にみつのニュアンスもある。しっかりした酸味に米を思わせる香りと柑橘ピールと、ほのかにメロンの香り。長い余韻ではうま味もしっかりある。

笑四季は特徴のあるたくさんの種類のお酒を出しているけど、やはり甘くて濃いこと、シトラス・アンド・ライシーなところが笑四季らしさなんだと思った。

今まで見た酒蔵前掛けの中で一番かっこいい

テイスティングノート

笑四季 特別純米 黒ラベル 生原酒 Sensation 4 Black

60度くらいで。よい山吹色。カシューナッツの香りが上立ちに。口に含むと強い酸味が横に広がる。甘味はそこそこあって、ウエハースや柑橘ピールのニュアンスがある。余韻は長く、じわりとした酸味が再び、そして、カシューナッツ・ウエハース・柑橘ピールの香りも。

お風呂に入って温まり、湯気を感じるようにいろいろな香りを感じる。カシューナッツ・米・ウエハース。

ラーメンモリンのチャーシューと合わせたら、よく合った。味の強さと性格が対等に渡り合っている。チャーシューの脂を酒の酸味が包み込む。ソースの役割をしている。酒のナッツのニュアンスもまた、チャーシューの味わいを包み込み、きれいなハーモニーを奏でるのだ。

笑四季 竹島榮三郎 越神楽 2017-18 生酒

甘くて、濃い。グラニュー糖のような感触と同時に蜜のニュアンス、しっかりした酸味、米の香り。シトラスのピールの感じ。ほのかにメロンの香りがある。余韻はやや長めで、ピール感とうま味、ほのかにざらめの香りがある。

越神楽は新潟で栽培されている酒米だ。年に3回は圃場を見に行っているという杜氏の竹島さんによると、越神楽はとても酒造りの観点からよい米だとのこと。

(テイスティング日: 2018年5月27日)

ラベル情報

笑四季 特別純米 黒ラベル 生原酒 Sensation 4 Black

  • 〈醸造元〉 笑四季酒造(滋賀県甲賀市)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 滋賀県産米
  • 〈精米歩合〉 50%
  • 〈杜氏〉 -
  • 〈特定名称/種別〉 特別純米酒
  • 〈アルコール度数〉 16度
  • 〈原材料〉 米・米こうじ
  • 〈製造年月〉 2017-03-25

笑四季 竹島榮三郎 越神楽 2017-18 生酒

  • 〈醸造元〉 笑四季酒造(滋賀県甲賀市)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 全量滋賀県産越神楽
  • 〈精米歩合〉 50%
  • 〈杜氏〉 竹島充修責任醸造
  • 〈特定名称/種別〉 -
  • 〈アルコール度数〉 16度
  • 〈原材料〉 米・米こうじ
  • 〈製造年月〉 2018-01-09
  • 〈その他情報〉 酵母: 自社酵母+7号+10号