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どぶろくさえさ 辛口|どぶろくテイスティングノート

日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio 日本酒コンシェルジュ 江口崇 aka Umio

「噛みごたえ」とビワや柿などフルーティーな香り

「どぶろくさえさ」は、どぶろく特区制度を活用して、石川県中能登町春木のオーガニック農家レストラン「まる」で醸されています。ラベルに「辛口」と書いてありますが、普段どぶろくを飲まない方にとっては、どちらかと言うと甘口に感じるでしょう。第14回どぶろく研究大会には「淡麗の部」で出品されました。「どぶろくさえさ」の甘口は、この大会のコンテストで7位に入賞。北陸三県では初の入賞でした[1]

冷やすと、酸味とガスが爽やかな印象のどぶろくです。程よく柔らかい米粒が残っており、「噛む」ことを楽しめるのがよいです。ミキサーを使ったクリーミーなどぶろくがトレンドではありますが、私は「噛む」ことがどぶろくの本質に近い味わいだと考えているので、このどぶろくにはとても好感が持てます。

バナナ・ビワ・熟した柿の種近くの香り。こっちの方のフルーティー。ほのかにぬか漬けの香りがあるのがどぶろくらしいですね。キレはよく、バナナやビワの香りが鼻を抜けていくさまに完成度の高さを感じます。

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全温度帯で輝く

20度前後(室温)まで待つと、米の膨らみが全面に出てきます。42度まで温めるとさらに米の香りと穏やかな柑橘の香りが姿を表します。それらはオレンジピール・金柑・ビワ。ふくよかで広がりのある味わいです。この温度帯はおすすめです。

さらに、60度まで温めると、穀物のニュアンスが出てきます。温かさと米の懐のやさしさに包み込まれて、体も心も温ままる体験。すりおろした生姜をひとつまみ、入れてみたくなります。

60度まで温めると、米粉の香り。65度だと酒粕のような香り。そして依然、後口は豊かで金柑やビワ、そして栗の香りが一緒にいてくれるのです。

冷やしても、少し温めても、とても温めても、輝くどぶろくです。全温度対応!

ペアリング

味と香りがまとまっているので、単独で楽しみたいどぶろくです。ローストビーフやジビエのフライなどと合わせると、フルーティーなソースのようにこのどぶろくが寄りそうでしょう。

テイスティングコメント

冷やすと爽やか

15度くらい 清酒グラスで。

少しさらりとして柔らかい口当たりの中に、ややガス感がある。粒感は少し。ほとんど溶けているが、噛める程度。

香りは、バナナ・ビワ・熟した柿の種に近い黒い部分・カカオのパルプ・クプアス・木・ぬか漬け。甘味があり、酸味もしっかり。バランスがよい。

バナナやクプアスの香りが鼻を抜けていく。心地よい。キレはよく、余韻にふわっとビワや熟したバナナの香り、広葉樹のチップの香りが広がる。酸味とガス感がまだ残り、さわやかな印象。

常温ではコク

24度まで戻すと、ビワや柿の香り。コクが降りてくる。

ぬる燗での膨らみがほっぺ落ち

42度まで上げると、米を思わせる香りが前面に出てくる。オレンジピール・金柑・金木犀・ビワの香り。膨らみ・広がりのある味わい。ふくよかである。これはよい。ほっぺが落ちる。

熱燗、その先へ

さらに、60度まで上げてみる。穀物のニュアンスが顔を覗かせる。ミルキーな香りと相まってホットミルクの様相を呈する。米粉の香り。体があたたまる。すりおろした生姜をひとつまみ、載せてみたくなる(残念ながら生姜を切らしていた)。65度まで上げると、酒粕の香りが出現。まるで酒粕をかじっているようだ。粒感があるので、お粥のような食感。後口に金柑・ビワ・栗の香り。

全温度帯対応のどぶろくだ!

(テイスティング日: 2019年11月15日)

ラベル情報

どぶろくさえさ 辛口

  • 〈醸造元〉 自然栽培農家レストランまる(石川県鹿島郡中能登町)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 -
  • 〈精米歩合〉 -%
  • 〈特定名称/種別〉 その他の醸造酒
  • 〈アルコール度数〉 10度
  • 〈原材料〉 米(国産)
  • 〈製造年月〉 -

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  1. 中能登のどぶろく 全国7位:北陸発:北陸中日新聞から:中日新聞(CHUNICHI Web) ↩︎