最初に飲みたい酒を飲む〈盃のあいだ nº24〉
最近、家できき酒の訓練をしています。酸味の区別です。それで気がついたのは、飲みたい酒は最初に飲むのがいいということでした。
最近、家できき酒の訓練をしています。ぼくは酸味を取るのが苦手なので、酸味が違うお酒を2種類、区別できることに挑戦しているのです。
酸味だけが違うお酒を探すのは難しいので、作ります。
お酒に市販のクエン酸[1]を少し(100mlあたり0.07g)入れます。それと、クエン酸を加えていないものを区別できるように訓練するのです。5ペア作って、家族にシャッフルしてもらってから、きき酒します。
お酒の酸味は、味の「濃淡」、つまり甘味とのバランスで「酸っぱさ」よりも「濃さ」を感じるんですね。これがぼくにとって難しい点でした。
何度か訓練したあと、1巡目は全問正解できるようになりました。でも、2巡目、3巡目になると間違いが出てきます。どうも回数を重ねると味覚が鈍ってくるということが経験的にわかりました。全部合わせて90ml程度しか飲まないので、酔ってしまうから、が原因とは考えにくいです。
飲めば飲むほど味覚が鈍くなる。そう考えると、普段お酒を飲むときには、最初に飲みたいお酒を選ぶのがいいのだと気が付きました。確かに1杯目はいつもおいしいですよね。
最初のお酒をじっくり味わって、それから料理と合わせていろいろな酒を楽しむ。食欲増進のための食前酒もあるけど、「一番飲みたい酒を最初に飲む」という食前酒もありだなあ、と思ったのでした。
きょうも日本酒コンシェルジュ通信に来ていただき、ありがとうございます。最初の一杯で乾杯!
リンゴ酸や乳酸・コハク酸を使いたいけど、一般に手に入りやすいのはクエン酸なのです。スーパーにも売っています。 ↩︎