おじいちゃん・おばあちゃんになっても飲み友達〈盃のあいだ nº13〉

久しぶりに新橋の「熟成古酒処」に立ち寄りました。カウンターで一目惚れした「奥の松」の1996年熟成酒をすすっていると、珍しく他にお客さんが入ってきました。

おじいちゃん・おばあちゃんになっても飲み友達〈盃のあいだ nº13〉

久しぶりに新橋の「熟成古酒処」に立ち寄りました。カウンターで一目惚れした「奥の松」の1996年熟成酒をすすっていると、珍しく他にお客さんが入ってきました。

その男性と交わした雑談のテーマは「飲み友達」。いっしょに日本酒を飲む異性の友達はたくさんいるのに、デートのような雰囲気に発展したり、男女の仲になったりすることがないというのが彼の悩みでした。

それは、かえって素晴らしいことなのではないか。僕はそう思いました。男女の仲には終りがある。でも、いっしょに酒を純粋に楽しむ仲間とは、丁寧に関係を育めば、一生楽しい時間をともにすることができます。

そんな飲み友達を大切にしていきたいなと思いました。

1996年の「奥の松」にほのかに感じられたヨード香の相手を探そうと、向かいの店で海の幸を注文しました。熟成古酒処のある新橋地下街では、食べ物を提供しないバーのために「出前」が出来るのです。

ヨード香にホタテのぬたワカメ添え、ちょっと欲張ってカラメル香にタレで焼いたウナ肝を合わせました。

この酒に時を刻む熟成香のように、飲み友達たちとの友情を育みたいな、おじいちゃん・おばあちゃんになっても盃を酌み交わせるようになるといいな、と思いながら千鳥足で帰宅したのでした。

IMG_6917-0960

今日も日本酒コンシェルジュ通信に来てくれてありがとうございます。時を刻む酒に乾杯!

盃のあいだ - 日本酒コンシェルジュ通信
盃を交わすとき、ふたつの盃のあいだにある心。ひとりで盃を重ねながら、巡らせる思い。日本酒コンシェルジュUmioが綴るエッセイです。