綾菊 国重 特別純米 別囲い|日本酒テイスティングノート

〈日本酒レビュー〉全体的に上品な味わい。軽やかながら、コクとうま味が広がる。白身魚との相性は抜群。

綾菊 国重 特別純米 別囲い|日本酒テイスティングノート

讃岐にて讃岐の酒を飲む。綾菊「国重」の別囲い。讃岐のダイナミズムが詰まった鯛の塩釜焼きに合わせていただいた。とあるお酒の会での舌鼓であった。

ご主人が全長60cmの鯛を5kgの塩で包み、窯で1時間半かけて焼いたとのこと。これが入る窯が家庭にあるというのが驚きだ。お腹を開けると中には烏骨鶏の卵、ローズマリーが枝ごと、そして昆布。上半分の身は淡白でホクホク、下半分の身はうま味とコクがある。蒸し焼きにしている間にうま味成分が下に浸透するからだ。

鯛の塩釜焼き

風のような酒

「国重」は全国ではじめて杜氏の名を冠した酒[1]。そう、1970年から杜氏を務め、全国新酒鑑評会では通算20回の金賞受賞、現代の名工にも選ばれている国重弘明である[2]。現在は一線を遠のき名誉杜氏として指導にあたっているとのことだが、数年前の蔵開きでは自ら甘酒を振る舞っていらっしゃったのを覚えている。

全体的に上品な味わい。軽やかながら、コクとうま味が広がる。外観はほのかな山吹色。美しい。口に含むと、やさしく、空気のように軽やか、ふんわりとしたテクスチャー。舞い上がる風のような口当たり。味わいのバランスがよい。そして白い米を感じる香り。米の甘味を思わせる白玉粉や上新粉の香り、甘さ控えめのミルク飴の香り。酸味、苦味でよく切れる。

風のような酒である。

鯛の塩釜焼きとの相性は抜群。酒が酸味をもったソースのように、白身を包み込む。塩味がまた、酒の甘味とうま味を引き立てる。

(テイスティング日: 2018年12月14日)

ラベル情報

商品名綾菊 国重 特別純米 別囲い
醸造元綾菊酒造(香川県綾歌郡綾川町)
特定名称・種別特別純米酒
原材料米(国産)、米こうじ(国産米)
酒造年度-BY
原料米香川県綾歌郡綾川超山田地区契約栽培米オオセト100%
精米歩合55%(掛米)、60%(麹米)%
酵母-
仕込み水綾川の伏流水
アルコール度数15度
日本酒度+1.0
酸度-
アミノ酸度-
製造年月-
杜氏-
その他情報-
商品ページ-

綾菊 国重 特別純米 別囲い

綾菊 国重 特別純米 別囲い


  1. 香川・讃岐の地酒・綾菊酒造 - 国重シリーズ ↩︎

  2. 香川・讃岐の地酒・綾菊酒造 - 名誉杜氏「国重弘明」 ↩︎