「滋賀地酒10,000人乾杯プロジェクト All Shiga 33蔵コラボ純米酒」日本酒テイスティングノート

〈日本酒レビュー〉今年で7年目、滋賀33蔵のブレンド酒をテイスティング! 「滋賀らしさ」に思いを馳せながら。

「滋賀地酒10,000人乾杯プロジェクト All Shiga 33蔵コラボ純米酒」日本酒テイスティングノート

昨年に引き続いて、滋賀33蔵コラボ酒をいただいた。滋賀県酒造組合に加入する33の酒蔵の酒をブレンドして造った酒だ。

去年のコラボ酒はこんな味わいだった。

実は飲んだ後、乾杯イベントのライブ配信「滋賀地酒10,000人乾杯プロジェクト2021」で知ったのだけれども、去年は33蔵の酒を均等にブレンドしたが今年は「滋賀酒らしさ」を表現して「造った」酒だという。確かに、今年のは味わいに意思のようなものを感じた。

乾杯イベントで組合の喜多会長は、このように語った。

去年のものは「出来た」酒だけれども、今年は「醸した」酒だ。

甘口・辛口と濃い・薄いの2軸で33蔵の酒を分類し、これらをどのようにブレンドすれば「滋賀らしさ」が出せるかを、蔵元だけでなくソムリエや飲食店の方などが議論しながら造ったという。喜多会長は、「滋賀酒らしさ」をこのように説明した。

滋賀県の蔵はそれぞれ個性があるけれども、滋賀全体としての水・風土・歴史の中で醸している。そこにはある一定の方向があるのではないか。

味や造りの考え方の多様性を包み込んだ、地域や風土を反映する地酒としてのあり方に滋賀らしさを見出そうとしているのだ。「地酒」の捉え方は発展し洗練されていっているのだと感じた。

モダン・滋賀酒

さっそくいただく。第一印象は、モダンな滋賀酒。落ち着いたフルーティーな香りで、酸味がしっかりとした酒だ。そこまでどっしりしたタイプではない。でも、落ち着いた柑橘と米、シトラス&ライシーな味わいは少しだけ特定の滋賀酒を思わせるニュアンスがある。「滋賀酒らしさ」の洗練されたモダンな実装なのかもしれないと思った。そして、「こんな酒にしたい」という意思のようなものを感じた。

冷蔵庫から出してしばらくおいて、でも室温(このときは26度くらい)まで行かないようにした、18から19度でテイスティングすると、フルーティーな香りに味幅があるきれいなお酒だ。

燗酒にしてよかったのは、まず、42度くらいに温める。やわらかでなめらか、バナナの香りにピリピリとした刺激がアクセントになる。そして、55度くらいでは温度も感じて全体のバランスが取れてきて、米由来の香りがきれいだった。

このお酒は、YouTubeのライブ配信の中でテイスティングした。滋賀酒大好きカガミさんとともに実現したライブ・テイスティング(&燗つけ)は、はじめての試みだったけど、こんなにも楽しい体験ができるとは!

テイスティング・セッションを含む滋賀酒トークはアーカイブされているので、ぜひ盃を片手にご覧ください。

テイスティングノート

19度、ISOテイスティンググラスで

味幅がある、きれいな酒。酸味がしっかりとしていて、二十世紀梨、それからメロンの種の周りにある甘い部分のような香り。ジューシーだ。酸味がギュッと広がるさまが良い。苦味でよく切れて、後口にはっさくのワタを思わせる柑橘のニュアンスがある。

35度、清酒グラスで

やわらかく、ジューシー。甘くてやさしい。控えめなメロンの香り。後口に酸味が口腔を駆け上がる。

42度、清酒グラスで

やわらか。ベルベッティーで、酸味が際立つ。バナナ、ジャックフルーツ、ほのかに梅の香り。ピリピリとした刺激がよい切れにつながる。

50度、清酒グラスで

落ち着いてきた。ようやく米が前に出てきた。ていねいに挽いた米粉の香り、バナナの香り。後口にうま味と米を感じさせる甘味、コシヒカリを思わせるふくよかな米のニュアンス。

55度、清酒グラスで

温度を感じる。温かいなー。バナナの香り、柑橘のニュアンス、白い米の印象。そしてバランスがよい。

(テイスティング日: 2021年9月28日)

ラベル情報

滋賀地酒10,000人乾杯プロジェクト All Shiga 33蔵コラボ純米酒

  • 〈醸造元〉 喜多酒造(滋賀県東近江市)
  • 〈仕込み水〉 -
  • 〈原料米〉 -
  • 〈精米歩合〉 70%
  • 〈杜氏〉 -
  • 〈特定名称/種別〉 純米酒
  • 〈アルコール度数〉 16度
  • 〈原材料〉 米(国産)・米麹(国産米)
  • 〈製造年月〉 2021-09
  • 〈その他情報〉 この純米酒は、滋賀県酒造組合加入33蔵元の純米酒をブレンドしました。