甘酒仕立ての新潟米どぶろく 新之助|どぶろくテイスティングノート
〈どぶろくレビュー〉新しい品種「新之助」を使った、質感と味のメリハリが楽しめるどぶろく。
時代に合わせた新しい品種
「新之助」は米の作付面積・収穫高とも日本一の新潟県で2008年から開発が始まり、2017年度より一般販売が始まった新しい米です。収穫期の暑さを避け、中生であるコシヒカリに収穫の集中を防ぐといったニーズに応えています。
大粒で豊かな甘味とコクがあり、しっかりした粒感と粘りが両立しているうえ、冷めてもおいしい、長期保存でもおいしさを維持するなどの特徴があります。食米として開発された新之助ですが、このどぶろくのほか、日本酒でも使われています。
質感と味のメリハリが楽しめるどぶろく
冷やしていただきました。クリーミーだけど、どぶろく独特の「噛む」感触が楽しめます。甘味はそこそこで、酸味と苦味がしっかり。和なしや青いバナナ、グレープフルーツピールの香り。余韻には麹の香りが楽しめます。
温めると、42度位、60度くらいが良かったです。特に60度にするとびわの香りなど別の顔が見えてきました。ですが、冷やして飲む方をおすすめします。
テイスティングコメント
12度くらい。クリーミーだけど噛める。ドロリとしていて質感がある濃厚などぶろく。口に含むと苦味がしっかりとしていてシャープな印象。甘味はそこそこ、酸味はしっかり。やや柑橘を思わせる。和なし・青いバナナ・グレープフルーツピールの印象。心地よい針葉樹の香り。そこそこ切れて、後口にややうま味と麹の香り。
42度では、和梨の香りが際立つ。心地よい苦味も強く。50度にするとこのどぶろくの良さ、香りや膨らみがなくなってしまう。60度にすると、またおいしくなる。枇杷の香りが出てくる。
この酒は冷やして飲むのがおいしい、燗にするなら42度か60度で。60度では違った顔が見えてよい。
(テイスティング日: 2019年11月15日)
ラベル情報
甘酒仕立ての新潟米どぶろく 新之助
- 〈醸造元〉 まるいち(新潟県小千谷市)
- 〈仕込み水〉 -
- 〈原料米〉 新潟県産新之助58%
- 〈精米歩合〉 -%
- 〈酵母〉 新潟県醸造試験場開発酵母
- 〈特定名称/種別〉 濁酒
- 〈アルコール度数〉 10度
- 〈原材料〉 米(国産)、米麹(国産米)
- 〈製造年月〉 2019-10
参考資料
- 開発ストーリー | 新潟県の水稲新品種 「新潟米 新之助 しんのすけ」(2020年3月3日閲覧)
- 重山博信. 新潟県における水稲品種開発と晩生新品種「新之助」の育成. 北陸作物学会報(The Hokuriku Crop Science)53:62 ~ 64(2018)