酒造り

日本酒を醸造すること。精米、洗米、蒸米、麹造り、酒母造り、仕込み、上槽、滓引き、濾過、火入れ、瓶詰めなど一連の工程の全体を指す。

酒造りの現場を体験しました〈伏見帖〉

私は、日本酒イベントを開催する中で、日本酒をもっとたくさんの人に知ってもらにはどうしたらよいかを考えていました。そこで、映像で酒造りの様子、蔵人さんたちの思いを伝えることができるのではないかと思いつきました。(この時制作した映像は「味わいストーリー」にてご覧になれます) さっそく居酒屋で出会った杜氏の田島さんに酒造りの見学をお願いしました。田島さんは「見学するだけでは酒造りの表面しかわからない。実際に体を使って体験しなさい」とおっしゃって、翌日から酒造りのお手伝いをすることになりました。 日本酒がどのように造られるかは、本を読んだりしてなんとなく分かっているつもりでした。でも、実際に酒造りのお手伝いをさせてもらって、今までよく分かっていなかった部分がすっきりと理解できるようになることがたくさんありました。同時に、蔵人さんたち一人ひとりがどんな思いで酒を造っているかを肌で感じることができました。 ここでは、この体験を元に私なりに理解した「日本酒がどのように造られるか」をお伝えしたいと思います。 日本酒は米と水に米麹と酵母という微生物を加えて造られます。とてもシンプルに聞こ
日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇

伏見の酒造りはオープンマインド〈伏見帖〉

(これは、伏見の酒蔵北川本家の杜氏、田島さんにお伺いしたお話を元にまとめたもので、わたしのマチオモイ帖2015に出品した「伏見帖」のために書き下ろした文章です。) いま、全国には1500近くの酒蔵があります。酒どころと呼ばれる酒蔵が集まった地域は、伏見以外にも兵庫県の灘や広島県の西条などが有名です。 全国から酒造りの技術が結集 伏見は全国から米と技術が集まってできた酒どころです。これは他の場所にはない特徴です。ふつう酒蔵は水どころ、米どころに多く作られています。伏見は水資源に恵まれているものの、周辺で米が十分収穫できない状態でした。また、杜氏もいろいろな地方からの出稼ぎが主で、地元の杜氏はいませんでした。 そんな中、全国から米を集め、杜氏を集め、酒造りを競い合ってきた歴史があります。丹後、丹波、但馬、越前、広島、南部、能登などを本拠地にした杜氏の集団があって、それぞれ独自に技術を発達させてきました。伏見では、違う流派の杜氏たちが切磋琢磨し合い、交流することによって酒造技術が発達しました。 杜氏同士の交流 杜氏の田島さんにお話をお伺いしている時、何度も他の酒蔵
日本酒コンシェルジュ Umio 江口崇